SBI証券のiDeCoに2018年11月より新しく「セレクトプラン」が登場しました。
インデックスファンドは業界最安コストに
S&P500や全世界株式への投資が追加
ひふみ・セゾン投信 人気のアクティブファンド
従来のプランは「オリジナルプラン」と名称が変わり運用者は無料でプランを変更することが可能です。
SBI証券へとプラン変更届けを当月の5日までにSBI証券に送付することで
・翌月の掛金からは新プランの商品を選択でき
・オリジナルプランの商品は現金化されます
現金化のタイミングは選べないので、オリジナルプランのうちにリスク資産は解約しておくのがベターです。
以前こちらの記事ではSBI証券のiDeCo「オリジナルプラン」と楽天証券のiDeCoの比較をしていきました。
今回この記事では
・低コスト化と商品ラインナップが厳選されたSBI証券のiDeCo「セレクトプラン」
・世界的なETFへの投資ができてポイントメリットのある楽天証券のiDeCo
その2つに証券会社を絞っての内容を比較していきます。
実際にどっちがいいの?
商品で選ぶならSBI。でも分かりやすいのは楽天だね
- SBI証券と楽天証券の一覧比較
- 商品本数での比較
- インデックスファンドの信託報酬比較
- 商品内容の比較
- 現状はSBI証券が一歩リード
- ポイント面の比較
- 給付面の比較
- 使いやすさの比較
- 更に細かい点を比較
- まとめ どっちにする?
SBI証券と楽天証券の一覧比較
まずはじめに両社の比較を一覧にしてみました。
SBI証券の方が楽天証券よりも加入者数は多いです。
また両社を比べた場合、基本的なサービス内容については同じですが、低コスト商品のラインナップやアクティブファンドの充実度で見ればSBI証券は楽天証券を上回っています。
・インデックスファンドが最低コスト
・ひふみ、ジェイリバイブに加えセゾン投信も
以上がその主な理由です。
ただし楽天証券は楽天ポイント がお得であり、また給付面についても「一時金と年金受け取りの両方が可能」というメリットがあります。
実際に口座を利用する点で重要なポイントを更に詳しく比較をしていきます。
商品本数での比較
・SBI証券(セレクトプラン)の商品数は34本
・楽天証券の商品数は32本
SBI証券のiDeCoの方が楽天証券のiDeCoよりも商品本数が多いです。これだけのiDeCo商品ラインナップがある証券会社は他のどこにもありません。
同社オリジナルプランに続き2番目に多いです。
ただし商品数が多いことは必ずしも良いというわけではありません。
iDeCoの商品数は上限35本と確定拠出年金法により定められています。現状商品数が34本あるSBI証券のiDeCoセレクトプランは今後商品の追加をすることが難しいです。
1年ごとに投資のトレンドは若干変わるので、今までは見向きもされていなかった商品が今後注目を浴びるかもしれません。
ある程度商品数には余裕があることが望ましいです。
多ければいいわけじゃない
似た商品はいらないしね
インデックスファンドの信託報酬比較
次にインデックスファンドでの手数料の比較をします。 SBI証券の商品がほとんどの資産クラスで楽天証券よりも低コストであることが分かります。
eMAXIS Slimを運用商品にラインナップしていることが徹底的な低コスト化を実現しています。
eMAXISSlimは三菱UFJ国際投信が販売しているインデックスファンドのシリーズとなりますが、その特徴は他を寄せ付けない低コストへの徹底にあります。
・他社が信託報酬を引き下げれば後追いする
・ファンドが大きくなることで信託報酬が安くなる
このシリーズには常に最安の安心感があります。
また各シリーズともインデックスファンドの本当の経費とされる実質コストについては抑えられてきており、ベンチマークとの目立った乖離はありません。
最安コストのSBI証券
商品内容の比較
それぞれの証券会社の商品内容でも比較をしてみます。
まずはそれぞれの商品を一覧にして見ていきます。
SBI証券(セレクト)の商品一覧
最安コストのインデックスファンド「eMAXIS Slim」を国内株式、全世界株式、先進国株式、米国株式(S&P500)、新興国株式、国内債券、先進国債券、8資産均等型にラインナップ。
より低コストになることはもちろん今までは投資できなかったS&P500や全世界株式へと積立ができるようになった点もポイントです。
アクティブファンドでも人気の「ひふみ年金」をはじめ、普通であれば専用の口座を持たないと投資ができない「セゾン投信」2種類が追加されています。
楽天証券の商品一覧
(更に詳しい分析はこちらの記事で)
楽天証券iDeCo の一番の特徴は「楽天全世界株式」と「楽天全米株式」の2つのインデックスファンドがあることです。
世界最大の投資運用会社バンガード社のETF「VT」と「VOO」へ低コストの投資が可能なこの商品は、設定から1年がたち実質コスト面でも落ち着きが見えてきました。
他のインデックスファンドには「たわらノーロード」がラインナップされています。eMAXIS Slimと比べてコスト面ではやや遅れがありますが、実質コスト面は優秀でパフォーマンスに大きな違いは見られません。
また楽天証券のiDeCoには資産均等型のバランスファンドがありません。
現状はSBI証券が一歩リード
世界的なETFへと投資ができる楽天証券ですが、それでもSBI証券のiDeCoは楽天証券よりも商品内容が優れています。
やはり「eMAXIS Slim」シリーズのラインナップが決め手です。インデックスファンドはコストの安さこそが正義。特に老後資産運用の場合は尚更です。
このシリーズには"常にコスト最安値を走り続ける安心感"があります。
アクティブファンドについても大人気ファンド「ひふみ」はもちろん、これまでは楽天証券しか投資できなかったセゾン投信をラインナップに揃えるなど隙がありません。
また定期預金の金利はSBI証券は0.02%であり、楽天証券は0.01%とSBI証券の方が優れています。
アメリカ株式で選ぶならどちらを選ぶか
アメリカ株式への投資で比較をした場合
SBI証券のiDeCoはダウとS&P500へ投資ができます。
楽天証券のiDeCoはダウと全米株式への投資ができます。
・選択と集中がされたNYダウ
・米国の優良企業に分散投資ができるS&P500
・銘柄数が最も豊富な全米株式
今後どれが伸びていくかを予想することは難しいです。
近年のリターンで見ればNYダウを選ぶのがベターですが、小型株の成長が期待できる全米株式は過去10年でのパフォーマンスは最も優れています。
S&P500はその間といったところです。
自分の場合はNISAはS&P500を選びiDeCoは全米株式を選びました。
ただし結論として3つは全て米国での経済指標となるのでそこまで大きくパフォーマンスが変わるということにはなりません。
全世界株式は楽天全世界株式がベター
全世界株式で比較した場合は楽天証券のiDeCoがSBI証券のiDeCoより優れているといえそうです。世界的に巨大なETF「VT」へ間接的に投資ができるの楽天証券だけのメリットです。
この1本で日本を含む全世界8,000銘柄へと投資をすることが可能です。経費率は0.1696%となっています。
SBI証券のiDeCoは複数の全世界株式ファンドへ投資ができる商品をラインナップしています。
・eMAXIS Slim全世界株式インデックスファンド(除く日本)
・SBI全世界株式インデックスファンド
以上2つのファンドは信託報酬で見た場合、楽天全世界株式よりもコストが低く優れています。
ただし「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」は世界の時価総額の上位約85%をカバーをしているものの投資対象に日本を含んでおりません。
また「SBI 全世界株式」は世界のほぼ全てを投資対象としていますが、3つのETFを組み合わせることで疑似的に全世界株式指数の連動を目指すファンドです。
よってベンチマークとの乖離をする可能性が高いです。
以上より全世界株式への投資を考えるなら楽天全世界株式が最もシンプルかつ合理的な商品といえるのです。
ただしeMAXIS Slimから新たに日本を含む全世界株式(オール・カントリー)ファンドが発表されました。
今後のiDeCoへのラインナップが待ち望まれます。
これは追加されそうだね
まさにラスボス
アクティブファンドの過去の実績比較
SBI証券と楽天証券でそれぞれ実績が長い主要なアクティブファンドの比較を年次リターンと共にしてみました。
・SBI証券からは「ジェイリバイブ」と「ひふみ」
・楽天証券からは「MHAM日本成長株」
・両社ともがセゾン投信2種類へと投資ができます。
やはりSBI証券がアクティブファンドラインナップは楽天証券よりも優れています。
顔の見えるファンドとしての人気が高い「ひふみ」への投資ができること。
また今まで楽天証券のiDeCoの独自メリットでもあったセゾン投信のラインナップを増やしたこともポイントです。
楽天証券のiDeCoにある「MHAM日本成長株オープン」は実績としては素晴らしいものをもっているのですがどうしてもそのボラリティの高さが気になります。
またひふみやジェイリバイブはiDeCoの場合「ひふみ年金」また「ジェイリバイブDC年金」というDC専用商品を購入することができます。
通常商品よりも信託報酬が低コストになるメリットがあります。
iDeCoでお得に投資ができる
ポイント面の比較
ポイント面では楽天証券がSBI証券を上回っています。
iDeCoの資産残高に応じて半年ごとにポイントを付与するキャンペーンを行っているからです。
・ポイント付与率は投資信託残高の0.03%相当分
・上限は150ポイントです。(残高50万円以上)
ポイントは残高確認後の2か月後に付与されました。
(私の例:2017年12月残高21万円×0.03%)
一方でSBI証券はiDeCoによるポイント特典はなく、資産保有残高についても同社サービスである投信マイレージの対象外となります。
楽天銀行からの引き落としでもポイント
(実際に引落しでポイントを得た画面)
更に楽天証券のiDeCo は引き落とし口座を楽天銀行にすることで、iDeCoの引き落とし時に毎回楽天ポイントがもらえる特典もあります。
以前は楽天銀行から引き落としには対応していなかったのですが2017年の9月から対応するようになりました。
ガンガンポイント増えるね
まさに楽天経済圏
給付面の比較
iDeCoを給付面で比較した場合、楽天証券はSBI証券よりも多様な受取方式が可能です。
・SBI証券 は一時金か年金方式か1つを選択
・楽天証券は一時金と年金方式の併用ができます。
一時金と年金の受取併用ができる楽天証券は老後設計を立てやすいというメリットに加え、税控除面でも優位性があります。
給付期間の自由さもそれを後押しします。
つまり同じ運用金額でも楽天証券のiDeCo の受取総額がSBI証券のiDeCo を上回る可能性があるということです。
特に退職金が多い人は注意
使いやすさの比較
続いて実際の運用に大事な使いやすさの比較です。
iDeCo口座のユーザビリティは楽天証券がSBI証券を大きく上回っています。
(楽天証券 管理画面)
楽天証券はiDeCoの口座に証券口座からダイレクトでいくことができます。
これは使ってみると非常に便利です。
証券口座とiDeCo口座の一括管理ができるので、資産運用という大きな箱でのiDeCoという枠を直感的にとらえやすくなります。(スイッチングも楽です)
SBI証券の場合は確定拠出年金専用のホームページへ行って「別のパスワードとID」を入力してログインする必要があります。
すぐに見れる楽天証券
スマホ対応をした楽天証券
また楽天証券は2018年になってiDeCo口座のスマホ対応もするようになりました。
SBI証券は現状スマホ対応ができていません。
更に細かい点を比較
商品のSBI、使いやすさや給付面なら楽天って感じ
いろいろいったけどそれでOKよ
楽天証券とSBI証券で他にも比較して気になる点を紹介していきます。
つみたてNISAはどちらも対応
2018年からはじまった「つみたてNISA」
つみたてNISAは楽天証券もSBI証券も買える商品数はほぼ同じです。
ただし楽天証券の場合は楽天カードを利用して投資信託を買うことでカード利用によるポイントが貰えるようになりました。(最大5万円分:500ポイント)
つみたてNISAは絶対に楽天証券です。
口座開設キャンペーンを比較
口座開くだけでお金もらえたりする?
うん。どっちもそれはある
楽天証券は楽天銀行と一緒に口座を開設してマネーブリッジ(無料)に登録することで誰でも1,000円もらえるキャンペーンをしています。
銀行口座は証券口座と一緒の流れで申し込めます。
SBI証券はSBI証券口座開設をしてSBIハイブリッド預金へ50,000円以上預入れをすることで1,000円もらえるキャンペーンをしています。
こちらも銀行口座は一緒に申し込めます。
また両証券会社ともiDeCoの申し込みによる期間限定キャンペーンは随時行っています。
商品選びをする際のサポート比較
( SBI証券 iDeCoロボ)
SBI証券では「SBI iDeCoロボ」というアドバイザーサービスがあります。
あなたのリスク許容度に合わせて運用スタイルの提案とそれに応じた運用商品の提案がされます。
選択された投資信託は同じ条件の中で実績の良いファンドを選んでくれるため、商品数が多いSBI証券でも迷わないという点でメリットがあります。
楽天証券はあなたのリスク許容度に合わせた資産配分の提案をしてくれます。
その資産配分を参考に商品を選ぶことで投資初心者であっても商品選びが分かりやすいです。
( 楽天証券iDeCo の商品選択画面)
ただしiDeCoのアドバイス機能はあくまでツールです。
昨今話題になっているウェルスナビやTHEOのように、リスクやリターンを勘案して商品のリバランス(調整)をしてくれるわけではありません。
投資の目安として使っていきましょう。
まとめ どっちにする?
どうしよう決めきれない
商品内容でSBI証券
新しくはじまったSBI証券のiDeCo「セレクトプラン」と楽天証券のiDeCoの比較をしました。
どちらの金融機関も運用管理手数料は無料です。
随時サービス内容の改善をしてきているので、現在利用している証券口座を元に選んでみるのも1つの手です。
総合口座の比較はこちらの記事で
あくまで老後のための資産を最大化したいということを考えるのであれば「eMAXIS Slim」シリーズを擁するSBI証券のiDeCo の方がおすすめです。
また最安コストと給付メリットの2つを追いたい場合は マネックス証券 が現状は最適な証券会社となります
ただし投資初心者であれば、管理画面が見やすく全世界や全米への投資もお手軽にできる 楽天証券iDeCo が迷わないという点でおすすめできます。
(今は口座開設キャンペーン中)
世界最大のETFに低コストで投資できる強みは 楽天証券iDeCo だけのものです。
楽天銀行との自動入出金も本当に楽です。
確定拠出年金は今後年金が目減りする中で私たちができる老後の準備第1歩です。
積立中は所得税と住民税も節税できるメリットもあるので、できるだけ若いうちにはじめておきましょう。
ネット証券各社は以下のリンクから無料で資料の請求ができます。まずは気軽に見てみてください。