iDeCoの口座を楽天証券から移すために先日マネックス証券 に口座をつくりました。
今までは証券口座は楽天証券とSBI証券の二大証券だけでいいと考えていたんですが
・IPO投資が完全に公平な仕組み
・米国株取引での注文の幅が広い
指値期間の長さを含めてマネックス証券の使いやすさが見えてきました。銘柄分析なども痒いところに手が届きます。
今は自分は証券口座のメインとして楽天証券を使っています。ただし状況に応じて最適な口座を選択していきたいとも考えます。
この記事ではそんな楽天証券とマネックス証券の比較を徹底的にしていきます。
実際にどっちがいい?
総合的には楽天証券!深く株式やるならマネックス証券も
- 楽天証券とマネックス証券の一覧比較
- 投資信託の取扱い本数での比較
- 米国株式の銘柄数での比較
- 株式手数料の比較
- 為替コストの比較
- ポイント面の比較
- 使いやすさの比較
- 更に細かい点を比較
- まとめ どう使い分ける?
楽天証券とマネックス証券の一覧比較
まずはじめに両社の比較を一覧にしてみました
楽天証券の方がマネックス証券よりも規模は大きいです。
また両社を比べた場合基本的なサービス内容や手数料については同じですが、総合的に見れば楽天証券はマネックス証券を上回っているといえます。
・日本株の手数料が安い
・ポイント付与条件が緩く使いみちも広い
・楽天カードで投資信託を購入でポイント付与
以上がその主な理由です。
やはりポイント面のメリットが大きいです。2018年10月からは楽天カード による投資信託購入で楽天ポイントが付与されるように。
上限金額は5万円ですが投資信託の購入だけで無条件で楽天ポイントが付与されます。楽天証券にしかできないバラマキです。
ただしマネックス証券は米国株の銘柄数が圧倒的に豊富で注文方式も多様、IPO取り扱い銘柄数も楽天証券を上回ります。
それでは実際に口座を利用する上で重要なポイントをさらに詳しく比較をしていきます。
投資信託の取扱い本数での比較
・楽天証券の投資信託の本数は2,670本
・マネックス証券の投資信託の本数は1,141本
(2019年1月時点)
投資信託の銘柄数は楽天証券がマネックス証券の2倍以上の商品数を誇っています。ただし実際のところだからといって楽天証券に優位性があるわけではありません。
「ニッセイ」「eMAXISSlim」シリーズなどをはじめとする低コストインデックスファンドから「ジェイリバイブ」や「ひふみ」などのアクティブファンドまで主要な投資信託はどちらも全てラインナップがされています。
メジャーな指標ではないインデックスファンド、また一部のアクティブファンドが楽天証券には多いというだけです。それらを一般投資家が選ぶことができるメリットはあまり大きくありません。
また、意外と誤解しがちなのは楽天投信投資顧問の投資信託シリーズ。
・VT(全世界)へと投資をする楽天・全世界株式
・VTI(全米)へと投資をする楽天・全米株式
これらの人気ファンドももちろん楽天証券、マネックス証券で同じ条件で購入することは可能です。
投資信託積立タイミングの比較
(マネックス証券の積立買付日)
次に投資信託の積み立て方式ですがマネックス証券のみが特定口座での毎日積立が可能です。
・マネックス証券は「ウェブかんたん銀行つみたて」をすることで毎日積立ができるようになります。
・楽天証券は特定口座では毎月積立のみとなります。
マネックス証券の「ウェブかんたん銀行つみたて」とは指定された銀行から即時入金サービスを利用して積立る方法です。
申込単位は1,000円以上となります。
なので100円投資で考えれば楽天証券もSBI証券も積み立て方式は毎月となり変わりません。
また100円からの毎日積立を特定口座で設定ができるのは今のところSBI証券のみです。
SBI証券では毎日積立以外にも、毎週、毎月、複数日、各月などの幅広い積立設計をすることができます。
つみたてNISAなら楽天証券は毎日積立可能
ただしつみたてNISAの場合は楽天証券は毎日積立をすることが可能です。引き落とし銀行を楽天銀行に選べば毎日楽天ポイントが貰える裏技も使えます。
マネックス証券はつみたてNISAでの毎日つみたては対応をしていません。
統計的には毎日積立でも毎月積立でも長期間でのパフォーマンスに大きな違いは表れないというデータはあります。
しかしそうであっても毎日積立をすることでの心労負担軽減。それは投資を始めると身に染みて実感します。
1日で数%落ちるとか普通にあるしな
その前日に積み立てると辛いね
米国株式の銘柄数での比較
昨今人気の米国株式の商品数はマネックス証券が楽天証券を大きくリードしています。NY証券取引所に上場している企業はほぼラインナップをしており、成長力のある小型株売買をしたいなら口座開設は必須です。
指値有効期間の長さをいかした逆指値注文によるリスクヘッジなどができるのもマネックス証券だけのメリットです。
ただし楽天証券も最近になり米国株式のラインナップを広げています。
大麻市場の成長力が期待される「TLRY」や日本人でも馴染みのあるトリパゴなど、ニッチで値動きの大きい銘柄の取り扱いも拡充されています。
楽天証券がんばってるね
普通に投資するならこれで十分だね
注文方法に優位のあるマネックス証券
マネックス証券は米国株式の指値期間が90日と長いことも特徴です。(追記)楽天証券の指値日数も90日となりました。
これは利用してこそ有難さが分かります。
「約定したつもりだったけれど期日が切れてた」なんていう相場のチャンス逃しが少なくなります。
また注文(親注文)が約定した場合、自動的に次の注文(子注文)を発注する連続注文もですが、値動きの粗い中小株を売買する場合は絶対に欲しい「逆指値注文」にも対応している点もポイントです。
逆指値注文とは設定した条件(トリガー条件)を満たした段階で取引所に発注する注文方法です。
具体的にいうなら、120ドルで購入をした株式に対して110ドルの設定条件で逆指値の成行注文を出しておけば、その後株価が急落した場合、設定価格の110ドル以下になれば自動的に注文が発注されるということです。
毎日株価を見れる人にとっては不要なものです。ただし長期旅行などに出かけてどうしても相場を確認できない場合などは被害を最小限に抑えることが可能です。
ビビりな自分にはありがたいな
寝落ちしても安心だからねえ
株式手数料の比較
次に国内株式と米国株式での手数料を比較しました。
楽天証券の方がマネックス証券よりも国内株式の手数料は安いです。
米国株式の手数料は同じですが楽天証券で「超割コース」の場合は約定金額に応じて1%のポイントバックがあります。
マネックス証券はサービスを大手2社に寄せてきていることもあり今後の手数料引き下げには期待ができます。
NISA口座では国内株式の手数料はどちらも無料です。米国株式については
・楽天証券は海外ETF買付時手数料をキャッシュバック
・マネックス証券は海外ETFと個別株の手数料をキャッシュバック
という違いがありマネックス証券の方がキャッシュバックの対象が広く有利になります。
外国株式の手数料はどう引かれる?
楽天証券もマネックス証券も外国株式の手数料は0.486%(税込)です。ただし最低5.4ドルかかり、また上限は21.6ドルとなります(共に税込)。
買付金額が大きいほど手数料比率は小さくなります。
実際に楽天証券で購入をした画面を見てみます。
米国株式購入時の手数料比率
・3,202ドル分の購入をしたときの手数料は約定金額に対して税込0.486%
・4,746ドル分の購入の場合は0.455%です。
・5,000ドルであれば0.432%
・1万ドルであれば0.216%
このように買い付け金額が増えるほど手数料の比率は小さくなります。
分かりやすいように金額(税込)で整理をすると
・約定代金が1111ドル以下 (手数料は5.4ドル固定)
・約定代金1111ドル~4444ドル (手数料0.486%)
・約定代金が4,444ドル以上 (手数料は21.6ドル固定)
ということになります。
少額で買うなってこと?
そうは思わない。でも1,111ドル以下の買付はもったいない
為替コストの比較
手数料の次は為替コストの比較をします。
1ドル当たり25銭かかります。
例えば1000ドルの場合は250円、5000ドルの場合は1250円となります。
為替コストについてはSBI証券に優位性があります。
SBI証券は同証券のFXサービスを利用することで、為替コストを1ドルあたり0.5銭に抑えることができます。(1万通貨が必要)
少額の場合でも住信SBIネット銀行の外貨預金サービスを使うことで1ドル当たり4銭の金額に抑えることが可能です。
更に「外貨積立」での買付購入であれば片道2銭と半額にもなります。また時期は突発ですが為替コストが0になる「外貨特BUY日」イベントにも注目です。
実際どれくらいの差になるか。
1万ドルの場合で0.5銭と25銭で為替コストの比較をすると2,450円程の違いがでます。4銭と25銭の場合でも2,100円の差となります。(1ドル100円と想定)
アメ株やるんならSBI証券やね
それはもう間違いないね
ポイント面の比較
楽天証券とマネックス証券は主に投資信託を軸にポイントサービスを行っています。
・楽天証券の場合は「投資信託資産形成ポイント」と「楽天銀行連携でのハッピープログラム」どちらかの選択で楽天ポイントが貰えます。
・マネックス証券はマネックスポイントです
比較してみるとポイント付与率はマネックス証券の方が高いですが、使いやすさと付与の条件に関しては楽天証券が上回ります。
それぞれの内容を整理します。
マネックス証券のマネックスポイント
マネックス証券では投資信託の月間の平均残高に応じて年間で0.08%のマネックスポイントが貯まります。100万円で800ポイント、1000万円で8000ポイントです。
ただし「eMAXIS Slim」「たわら」「iFree」など低コストインデックスファンドはその残高に含まれず、またNISA口座も対象外です。
マネックスポイントの使い道は
・株式手数料に等価交換
・Tポイントやnanacoポイント
へと交換をすることができますが現金へ交換をすることはできません。
制限がかなり多いです
楽天証券は2つからの選択
楽天証券は「投資信託資産形成ポイント」と「楽天銀行連携でのハッピープログラム」どちらかのポイントサービスの選択になります。
また付与される楽天ポイントについては皆さんも知っている通り、楽天市場や楽天モバイルの支払など汎用性が広いですが2017年より投資信託の購入もすることもできるようになりました。
投資信託資産形成ポイントは投資信託を月初次点で50万円以上保有していることで金額に応じたポイントがもらえます。
付与の条件はこの通りです。
(投資信託資産形成ポイントの一覧)
計算をしてみるとポイント付与率は最大で0.12%。ただし残高が増えていくと還元率が低くなることが分かります。
1,000万で500ポイント(0.06%)となり、2,000万円以上の場合はどれだけ残高が多くても毎月1,000ポイント一律となります。
ハッピープログラムは投資信託の残高10万円ごとに毎月4ポイントが貰えるキャンペーンです。
年間ポイント付与率でいえば0.048%となります。こちらはポイントの上限はありません。
資産形成ポイントとハッピープログラムどっちがいいの?
2,500万までは資産形成ポイント!
楽天証券は購入するときもポイントが付く
(実際に投資信託購入でポイントを得た画面)
楽天証券は楽天銀行との自動入出金を設定することで、投資信託や株式を購入する度に毎回楽天ポイントがもらえる特典もあります。
引落しが楽天銀行よりされる必要はありますが、100円投資するだけで会員ステージに応じて3ポイント貰えるのは非常に大きなメリットです。
たとえば毎日100円投資信託を購入するだけで1ヶ月で60ポイント以上の取得も可能です。
特定口座での自動毎日積立ができないのは残念ですが、つみたてNISAではそれも可能となります。
また2018年10月からは楽天カードで投資信託を購入することで買付金額の1%がポイントとして貯まります。(上限は5万円で500Pまで)
ポイント面は楽天が有利だね
ガンガンもらえるし使いみちに困らない
使いやすさの比較
楽天証券は見やすい管理画面が特徴です。
(楽天証券 管理画面)
円グラフまたは棒グラフなどによって自己資産やパフォーマンスの確認が一目で分かります。
iDeCo口座に証券口座からダイレクトにいける点もメリットです。
マネックス証券は銘柄分析が分かりやすいです
(マネックス証券のJTスコア分析)
マネックス証券に口座開設をすると株式銘柄の「IFISスコア」をそれぞれ見ることができます。
・企業の成長性や割安性
・テクニカルでの優位性や財務健全性
株価を左右する数字をすぐに業界の平均値と比較ができて便利です。
企業の業績に関する情報がリアルタイムで分かる「マネックス銘柄スカウター」も自分は口座を作ってからよく見るようになりました。
ただし実際の管理運用面においてどうしてもマネックス証券は使いにくさを感じることは事実です。
改善されてきているとはいえ、慣れるまで売買画面にたどり着くのも時間がかかってしまうので今後に改善を期待したいです。
更に細かい点を比較
投資信託はポイント優位の楽天証券 。株は分析優位のマネックス証券
いろいろいったけれどそれでOKだよ
iDeCoならマネックス証券が優位
税メリットの大きいiDeCoですがマネックス証券、楽天証券どちらも取り扱いをしており両社とも金融機関に支払う運用管理手数料は無料です。
iDeCoで比較をするならば「eMAXIS Slim」シリーズをラインナップにもち、商品の最安コストへの徹底がされるマネックス証券が楽天証券よりも優れているという見方ができます。
楽天証券のiDeCoは「楽天全米株式」または「楽天全世界株式」インデックスファンドがラインナップされており、全米また全世界にお手軽に投資ができます。
ただし両ファンドは信託報酬とは別にかかる投資信託の実質コストが高いことが運用報告書により明らかになるなど、まだその実績は浅く安定していません。
つみたてNISAは絶対に楽天証券
年間40万円×20年間の非課税枠となるつみたてNISAは楽天証券の方が絶対にお得です。マネックス証券にはできない「毎日積立」が可能ということもありますが、1番の違いはポイントにあります。
・マネックス証券はつみたてNISAの投資信託残高に対してマネックスポイントは対象外です。
・楽天証券は特定口座と同じく投資信託残高に応じてポイントが貯まります
また楽天証券の場合は購入する際にもカード払いによるポイントが付きますし、楽天銀行からの引き落としによるポイントがある点でも優位性があります。
キャンペーンを比較
口座開くだけでお金もらえたりする?
楽天証券はあるよ
楽天証券は楽天銀行と一緒に口座を開設してマネーブリッジ(無料)に登録することで誰でも1,000円もらえるキャンペーンをしています。
銀行口座は証券口座と一緒の流れで申し込めます。
マネックス証券は口座開設から1ヶ月間の日本株の現物株式買付手数料および投資信託買付時の申込手数料を全額キャッシュバックをしています。
IPO投資ならマネックス証券
IPO投資で比較をした場合はマネックス証券の方が取り扱い銘柄が充実しています。ただし楽天証券も2018年になってからIPO投資へ本格的に乗り出しをはじめています。
またどちらの証券会社についても抽選方式は「完全公平抽選」となりSBI証券のように資金によって有利と不利は特にありません。
得られる情報を比較
楽天証券はマーケットスピードというツールを使うことで日経新聞が無料で読むことができます。
楽天銀行との自動入出金設定が必要です(無料)
マネックス証券はスマホアプリ「マネックストレーダー」を利用することでアナリストの経済ニュースに対する今後の予報が確認できます。
また個人的にはロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」に刺激を受けることが多いです。
ロボアドバイザーはどちらも魅力を感じない
ロボアドバイザーについては楽天証券が「楽ラップ」という投資信託の自動運用、マネックス証券が「マネックスアドバイザー」で国内ETFの運用をしています。
マネックスアドバイザーの特徴は自分の相場に対する読み(ex:今後円高になる)を運用に反映させることができることですが、それは時としてデメリットにもなります。
予想ができるならば今は個別投資が非常に楽な時代となったのでその方がコストメリットがあるのでお勧めです。
またどちらにしてもウェルスナビのようなデタックス(節税)機能はなく、実績も未知数なため両サービスにはあまり必要性を個人的には感じません。
まとめ どう使い分ける?
まずは投資信託からはじめたいな
それなら楽天だね。iDeCoやるならマネックス証券も
楽天証券とマネックス証券はどちらも優れたネット証券です。
株式については保有残高に応じたポイントはないので、投資信託は楽天で購入、米国株やiDeCoはマネックス証券ではじめるという形を選んでみてもよさそうです。
マネックス証券の口座は銘柄分析のツールとしても役に立ちます。
証券会社は多く持ちすぎてしまうと管理も大変です。
ただし投資ごとに適切な証券会社を選択することでメリットが得られることは確かです。
口座開設によるキャンペーンもありますのでまずは一度口座の開設をしてみて、じっくりと自分に合う証券会社を選んでみてはいかかでしょうか。