2018年からはじまった少額投資非課税制度となる「つみたてNISA」
口座数は1年間で100万口座を突破。
年金に期待が持てない昨今、個人型確定拠出年金(iDeCo)に負けず劣らず右肩上がりに加入者数は増えています。
いつでも解約できて利益は非課税
非課税投資額は年間で40万円
非課税投資期間は2018年から2037年
投資対象商品は金融庁のお墨付きのみ
iDeCoのように所得控除があるわけではないですが、いつでも売却できるという強みがあります。
今後大きな出費があったとしても安心です。
しかしそんなつみたてNISA。原則として1人1口座しか持つことはできません。
またつみたてNISAを扱っている金融機関は銀行、証券会社を合わせると500以上あります。
金融機関ごとに扱う商品数や内容も異なれば、実際の運用面でも最低投資額や積立頻度に違いがあります。
金融機関は途中で変更もできますが、できることならはじめから1番優れた金融機関を使いたいですよね。
この記事ではそんなつみたてNISAの金融機関を、5つのポイントで比較をしていきます。
忙しい方の為にはじめに結論を伝えておくと
・購入時にもポイントが貰えて100円から毎日積立ができる楽天証券が一番無難
・ポイント付与率が高く毎週積立が可能なSBI証券
・運用をロボアドバイザーにおまかせできる松井証券
以上3つの中から選ぶことをすすめます。
商品本数での比較
まずはつみたてNISAで投資できる商品本数の比較から。
楽天証券とSBI証券が最多であり、それに続いて「カブドットコム証券」「マネックス証券」「松井証券」などの金融機関が続きます。
こうして見ると分かりますが、ネット証券と対面型の証券会社や銀行とでは投資できる商品数に大きな違いがあります。
「そんなに投資するわけじゃないから意味なくない?」という意見もありそうですが、商品本数の多さは金融機関の今後の力の入れようも分かります。
今後いい商品が販売された場合にすぐに取り扱いをしてくれるという点でも信頼ができるんです。
商品内容での比較
各金融機関のつみたてNISAでの商品内容を見てみます。
・米国株
・全世界株
・先進国株
・日本株
へと投資できる最安インデックスファンドの信託報酬を比較しました。
「楽天証券」「SBI証券」「カブドットコム証券」「マネックス証券」「松井証券」は全て信託報酬は横並びで最安。
新興国株式やバランスファンドについても同じ結果です。
商品本数にやや差はあれど、実際に投資をするという観点で見れば5大証券の商品ラインナップの優劣の差はありません。
つみたてNISAは全ての投資商品が金融庁のお墨付きということもあって、対面型の金融機関でも投資商品の信託報酬は低めです。
しかしそうであっても非課税期間20年の少額投資。
100万円でも0.1%信託報酬が違えば年間1,000円のコスト、そしてその金額は複利となって広がっていきます。
少しでも低コストのファンドがある金融機関を選ぶことは絶対です。
積立金額での比較
続いて積立金額での比較をします。
「楽天証券」「SBI証券」「カブドットコム証券」「マネックス証券」「松井証券」は全て100円以上1円単位での購入が可能です。
他の金融機関については1000円以上からとなり、また金額の刻みも1円単位でできない場合が殆どです。
つみたてNISAは非課税投資額が年間40万円あるわけですが、別にその枠を使い切る必要はありません。
解約をいつでもできることもつみたてNISAのメリットです。
毎月余ったお小遣いをお遊びで投資して、ある程度貯まったら解約をする。
そんな少額投資でも特定口座だと利益から20%の税金が取られますが、つみたてNISA口座なら丸ごと利益を受け取れます。
投資したお金はどう使おうが個人の自由。
投資に慣れていない人ならば特に、100円からの投資ができる金融機関を選んでみてください。
積立頻度での比較
続いて積立頻度での比較をします。
楽天証券は毎日/毎月
SBI証券は毎日/毎週/毎月
大和証券は毎月/各月/3ヵ月/4か月/6か月
以上の金融機関が積立頻度の面で優位性があります。SBI証券が毎週積立ができるという点で最も自由が利く設定です。
つみたて頻度が多いことは投資成績を押し上げるかと言われると正直なところ微妙です。
統計的にも、毎日積立でも毎月積立でも長期間でのパフォーマンスに大きな違いは表れないというデータはでています。
しかしそうであっても毎日積立をすることでの心労負担軽減。それは投資を始めると身に染みて実感します。
特に1日の値動きが荒い昨今なら尚更です。
他の金融機関では毎月の積立のみとなります。
1ヶ月の投資上限額は33,333円と決められるケースも多いです。
ただし年次の途中でつみたてNISAへと加入する場合は、ほとんどの金融機関で「ボーナス月設定」をすることができて自由にその際の金額を調整できます。
ということもあり、年度途中でも年間40万円の投資上限への積立は可能です。
ポイントは購入/保有/利用で比較する
つみたてNISAをポイントで比較した場合、総合的に最もお得な証券会社は楽天証券となります。
投資信託の保有残高に対するポイント付与率はSBI証券に劣る部分はあるものの、全ての商品で一定のポイント付与がされることが強みです。
SBI証券は「楽天全米」や「楽天全世界」、eMAXIS先進国株式などのつみたてNISA人気ファンドは軒並み0.03%の付与率にまで落とされます。
また、カブドットコム証券や松井証券にもポイント特典がありますがほとんどの低コストインデックスファンドはその対象外になる点に注意してください。
楽天証券は投資信託を購入する際にポイントが貰える唯一の金融機関です。
楽天銀行からの引き落としを選ぶことで、100円の購入でも1件につき会員ランクに応じて最大3の楽天ポイントが貰えます。
商品ごとにポイントが貰えるので、例えば1日の最大積立本数である15本の商品を毎日つみたてすれば(15本×3P×営業日20日として)1ヶ月約900の楽天ポイントを貰うことも可能です。
楽天カードを利用しての積立でも買付金額×1%のポイントが貯まります。(最大500ポイント)
この場合は買付日は月初営業日固定となりますが、支払いは通常のカード利用と同じで翌月となるメリットがあります。
また楽天ポイントは2017年より投資信託の購入もすることもできるようになりました。
SPUも+1倍となります。
ポイントの汎用性という意味では楽天よりも優れたものも他になく、 やはりポイント特典で考えるなら楽天証券一択ですね。
追記:特典がある金融機関も
最後につみたてNISA口座開設での特典がある金融機関を紹介します。
カブドットコム証券はNISA口座を保有することで、NISA割が適用されて現物株式の手数料が割引されます。
割引率はNISA口座の継続年数ごとにUPしていき、最大で5%(5年継続)になります。
カブドットコム証券はもともとの現物株式手数料が最安水準にあるので、現物株式取引をする人にとっては十分に考慮に入れる余地があります。
松井証券はつみたてNISAの口座を同社のロボアドバイザーツール「投信工房」を利用して資産管理することができます。
投信工房とは、はじめに投資に関しての8つの質問に答えることで自身に合うポートフォリオを提案してくれるサービスです。
また実際に運用をはじめてからも、随時PFのチェックをしてもらうことも可能。
自動で最適なバランス構成へとする「リバランス注文」機能も搭載されており、安心して長期投資に臨むことができます。
まとめ
つみたてNISAの金融機関を5つのポイント+αで比較しました。
・楽天証券は投資内容やポイント面で最も万能
・SBI証券はポイント+積立頻度の自由さがある
・松井証券はロボアドバイザーに資産管理をお任せできる
やはり楽天銀行や楽天カードによる購入でポイントが付くことや、そのポイントを投資に利用できることを踏まえると最も優れた金融機関は楽天証券といえます。
それぞれの特徴をもう一度整理してみると
楽天証券はこんな人に向いています。
楽天ポイントを効率良くお金に換えたい
毎日積立を少額で自由にしてみたい
手間なく分かりやすい投資をしたい
こういった人であれば楽天証券のつみたてNISAが一番です。
分かりやすいインターフェースも強みであり、投資を始めてする人でも絶対に迷わないです。
SBI証券はこんな人に向いています。
少額投資を自由な積立頻度で行いたい
アクティブファンドへの投資を考えている
つみたてNISAははじめての投資
こういった人ならSBI証券を選ぶ価値は高いです。
つみたてNISA専用画面もあるので、はじめてのネット証券という方でもスムーズに投資することが可能です。
特に「ひふみ」などアクティブファンドへの投資を考える人は、商品保有によるポイントが楽天証券の倍以上なことは大きなメリットです。
松井証券はこんな人に向いています。
投資初心者で何を選べばいいか不安
客観的な投資のアドバイスをずっとして欲しい
少額からの投資がしたい
こういった人であればロボアドバイザーツール「投信工房」をつみたてNISAで利用できる松井証券を選べば安定した運用ができそうです。
つみたてNISAを最近よく耳にするけれど、投資って何だか怖いなって方もいるかもしれません。
ただし踏み出してみると拍子抜けするほど簡単であり、そして楽しいです。「もっと早くやっていれば・・」なんてことをいつも自分は考えます。
まずは少額からはじめてみてはいかがでしょうか。