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アラサーの投資+雑記ブログ

つみたてNISAやiDeCoでバランスファンドを選ぶメリットとデメリット

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つみたてNISAやiDeCoの運用商品は株式資産だけで問題ない。あえて分散性の高いバランスファンドをもつ意味がない。

そんな意見、また運用を見ることが増えてきました。

 

でも本当にそうなんでしょうか。

自分はこれはあくまでひとつの意見であり、誰にでもあてはまるわけではないと考えています。

・投資に対してのスタンス

・収入あるいは資産の違い

それぞれにベストな選択肢があり、その中でバランスファンドを非課税投資枠内で持つことが最適な方もいるわけです。

 

つみたてNISAやiDeCoでバランスファンドを持つ意味、またメリットとデメリットについてをまとめてみました。

 

そもそもバランスファンドの役割は

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(最近の人気は8資産バランスファンド)

バランスファンドとは、1つの投資信託の中に複数の投資先を持つことで手軽な分散投資が実現できる商品です。

1つの商品に投資するだけでもリスクまたリターンの分散をはかることが可能になります。

 

それぞれの資産クラスへの割合があらかじめ決まっていることも特徴です。ある特定の資産が伸びてファンドに占める割合が大きくなると、その増えすぎた部分は自動的に他の資産へと割り振られます。

これをリバランスと呼びます。

 

リバランスはリスクの分散には欠かせません。ですが必ずしもパフォーマンスを上げるわけではありません。

・好調な資産クラスを機械的に売り払い

・不調な資産クラスの買付を行う

むしろこういった運用をしていくので一時的なパフォーマンスを押し下げて見えることもあります。

ただしあくまでバランスファンドはそういった性質を持つ商品だということです。

 

つみたてNISAやiDeCoでバランスファンドを保有するメリット

 

複数の資産クラスを決められた割合に調整して保ち続けるバランスファンド。

つみたてNISAやiDeCoで持つことによるメリット、またデメリットはなんでしょうか

それについて考えていきます。

 

金融危機時が起きても対応がしやすい

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(立ち直りが個別100%より早いことも)

バランスファンドはその特性上、金融ショックが起きた場合の対応がしやすいです。

投資先を複数に分散することでのリスクの低減が図られるということはもちろんですが、もっと大事なことがあります。

 

それが自動で行われるリバランスです。

一度大きく凹んでしまった資産クラスは経済が回復傾向となっても、元の資産額になるまでには時間がかかります。

しかしバランスファンドの場合、凹んだ資産クラスに自動でファンド内再投資が行われます。よって個別集中投資の場合より、その復活が早くなることが期待できます。

金融危機が起きた場合でもそれを成長のチャンスと捉えることができるのはバランスファンドの特権です。

 

多くのひとは、底の時代に投資できなかった

また金融危機時の対処法についてはしばしばこういった意見も見られます。

あらかじめ現金保有率を高めておいて、金融危機が起きたら投資をする。それが1番効率がいい

確かにこれができたら1番いいですよね。

しかし今でこそ「次にリーマンショックのようなことが起きてから勝負をする」という意見は簡単にいえますが、当時の相場はそんな雰囲気でありませんでした。

みんなが買いたくないと思うからこそ相場は下がるのであり、逆に言うならバーゲンセールだと多くの人に思われるなら株価はまだ高値水準です。

 

金融危機の時に株を購入することが正解だったと気付くことができるのは、それを購入してからずっと先のことでした。

当時多くの人が落ちるナイフを掴んでしまったといった絶望感を味わい、市場から退場をしています。

二十底、三重底、本当の底(買い時)がどこなのかは未来に行かなければ分かりません。それこそ投資に対しての深い経験と理解が必要となります。

 

つみたてNISAでの手段リバランスは難しい

またバランスファンドによる自動リバランスはiDeCoやつみたてNISAでこそ、その利便性が高くなるメリットもあります。

なぜなら2つの投資制度は毎月定額を積立するという特徴なため、個別ファンドの組み合わせでポートフォリオを組む場合

・現在の資産構成を確認しながら

・今後の積立で調整していく

といった複雑な投資が必要になるからです。

 

特につみたてNISAでは商品の非課税枠内でのスイッチングを行うことができないので尚更リバランスは大変になります。

つみたてをしている間にも資産は値動きしてしまうので"ずっとリバランスしている"ということにもなりかねません。

 

個別商品の組み合わせよりも信託報酬が低いことも

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バランスファンドは低コストファンドの組み合わせに比べてコストが高くなるといった意見。それはもはや過去の話となってきています。

たとえば8資産バランスファンドでは個別の低コストインデックスファンドの組み合わせよりも安い信託報酬で投資を行うことができます。

また最近販売がされた、年金運用と同じ値動きを目指す「iFree年金バランス」も信託報酬はファンド内で構成されるインデックスファンドの最安値を足したものより低い設定がされました。

バランスファンドはコストが割高という意見はもはや通説ではなくなったのです。

 

つみたてNISAやiDeCoでバランスファンドを保有するデメリット

メリットについて書きましたので、それでは次にバランスファンドをつみたてNISAやiDeCoで保有するデメリットについて書いていきます。

 

積立額が小さく老後資金をカバーしきれない

つみたてNISAは40万円×20年の運用

iDeCoのサラリーマンの掛金上限は毎月23,000円

積立額の枠を踏まえるとiDeCoやつみたてNISAではどうしてもそれだけで老後の資産設計ができるわけでありません。

仮に年利5%で運用を20年間したとしても

 

20年間サラリーマンが積立上限まで運用

・つみたてNISAは年利5%で約1,350万円

・iDeCoは年利5%で約930万円

以上の金額としかならないのです。

 

つまり老後資産として安心を得たいのであればiDeCoやつみたてNISA以外でも資産設計をしていく必要があるわけです。

もちろんそれ以外は貯蓄でカバーするという考え方もありますが、投資になれていくと特定口座でも投資したくなるのが人間です。

特定口座も利用しながらiDeCoやNISAでの資産運用をしていくことはもはや自然の流れです。

 

その場合つみたてNISAやiDeCoで同じバランスファンドを保有したとしていても資産全体を見れば、ちぐはぐなポートフォリオになっているといったことは少なくありません。

別にそれでも運用上は構わないのですが、せっかくのバランスファンドを持つ意味合いが薄れることは確かです。

 

非課税メリットを活かしきれるとは言い難い

更にいうなら特定口座をあわせて個人が資産運用をするという考え方をした場合、つみたてNISAやiDeCoでバランスファンドを持つことは出口戦略を考えると非常に勿体無いと言わざるを得ません。

そのメリットである受取時の税優遇を最大限に生かすことができていないからです。

個人の資産運用全体を1つのポートフォリオとしてとらえるならば

 

リスク資産をiDeCoNISAで運用する

・値動きの少ない資産は特定口座で運用する

 

といった投資方法をすることで、同じ運用額であったとしても受取金額を通常に比べて大きく増やしていくことが可能です。

 

利益に対して20.315%の税金額は積立額が増えるほどその重みが増していきます。また私自身も

・iDeCoやNISAでは株式中心

・特定口座では債券中心

といった運用を現在は心がけています。

 

証券会社ごとのバランスファンドの特徴

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つみたてNISAの場合は設定できる商品数に定めはありませんので、特に証券会社ごとの特徴はありません。

iDeCoの場合は確定拠出年金の法制度により証券会社ごとの商品数は上限を35本と定められました。

証券会社へ支払う運用手数料が無料な主要金融機関の中での比較をしていきます。

 

SBI証券のiDeCoのバランスファンドはオリジナルプランが11本と非常に多いですが、セレクトプランでは5本へと商品が絞られます。

8資産バランスファンドは「オリジナル」「セレクト」プランのどちらにも含まれます。

株式・債券型ファンドは4つのパターン比率でオリジナルプランに含まれています。伝統的な構成からリスクとリターンが把握しやすいです。

セゾンバンガードグローバルバランスはセレクトプランのみに含まれます。ほったかし投資の草分け的な存在のファンドです。

iFree年金バランスは国民年金や厚生年金を運用するGPIFの運用方針を真似たファンドです。国債が35%含まれておりリスクまたリターンは抑えられています。

 

楽天証券のiDeCoのバランスファンドは5本となりますがインデックスファンドは1本のみです。

セゾンバンガードグローバルバランスは全世界債券・全世界株式へ50:50でETFへの投資を通しての運用を行います。

楽天インデックスバランスは全世界債券・全世界株式へ85:15という比率での投資をします。

指定運用商品らしくリスクが抑えられた配分ですがリターンは見込みにくいです。

 

マネックス証券のiDeCoのバランスファンドは2本だけしかなくインデックスファンドは8資産バランスファンドのみとなります。

松井証券のiDeCoも同様です。

どちらも債券比率の大きいバランスファンドがないので、やや不足感が拭えません。

ただしどちらも各資産クラスのインデックスファンドは最安コストです。自分でバランスファンドを作ってみるのも良い選択です。

 

イオン銀行のiDeCoはバランスファンドが5本あり意外にも充実したラインアップとなっています。

日本また先進国の株と債券の組み合わせ比率が3パターンあるマイバランスに投資ができることが特徴です。

 

商品数はSBI証券のiDeCoのオリジナルプランが最も豊富なラインアップでありREITを除いた6資産均等型ファンドにも投資をすることができます。

 

バランスファンドで証券会社を選ぶなら

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つみたてNISAの場合は商品ラインナップが同等でトップになるSBI証券、また楽天証券を選べば問題ありません。

他の金融機関を選ぶメリットは特にありません。

ただし今のところつみたてNISAではSBI証券よりも楽天証券を選んだ方が賢い選択だといえそうです。

 

つみたてNISAで楽天証券を選ぶ理由

・商品ラインナップがSBI証券と並び最多

・投資信託購入時にもポイント付与される

楽天カード でのつみたてによるポイントメリット、また楽天銀行からの毎日引き落としをすることでのハッピープログラムによるポイント取得。

それらを考えた場合、楽天証券の方がSBI証券よりもつみたてNISAをはじめるには適した金融機関といえるでしょう

 

iDeCoの場合はSBI証券が優れています

www.shunpon.com

バランスファンドが最も充実しているのはSBI証券のiDeCoといえそうです。

リスクとリターンがイメージしやすい株式・債券型ファンドにはオリジナルプランを選ぶことで選択ができます。人気のセゾン投信にはセレクトプランでの投資が可能になりました。

人気の8資産バランスはどちらでも投資が可能です。

しかしあくまでバランスファンドのラインナップのみでiDeCoの金融機関を決めるべきではありません。

他の商品内容やサービスの特徴を踏まえて金融機関の選択は行うべきです。

自分の場合は楽天証券のiDeCoを選びました。

 

まとめ

つみたてNISAやiDeCoでバランスファンドを持つメリットとデメリットについてまとめていきました。

メリットとしては

 

金融危機時においても対処がしやすい

つみたて投資との相性がいい

 

以上が大きなポイントであり、まだ資産運用に慣れていない方や運用金額が少額な方にとっては特にすすめたい運用方法です。

 

ただし特定口座でも資産運用をする方にとっては

・非課税メリットを最大限に活かせない

といった点を認識して、つみたてNISAやiDeCoではリターンが狙える米国株式や世界株式といったリスク資産を持つほうが投資の効率が良くなります。

 

また大事なことは短期的な成績で一喜一憂するのではなく、過去の値動きを見ながら今後に対してじっくりと見通しができるmyポートフォリオを作ることです。

バランスファンドを選択するかどうかよりも、その考えこそが長期投資には必要ですね。以上当たり前のことですが大切なことなので書いてみました。