もともとSBI証券のiDeCoは運用管理手数料が無料な事や、低コストの商品ラインナップが豊富なことから多くの投資家にサービス内容が評価されてきました。
「iDeCoを始めるならSBI証券で!」
そんな意見は2017年のはじめには当たり前のものだったのです。
しかしそんな栄華も長く続きません。
ライバル証券会社達がどんどんiDeCoのサービス内容を拡充させていきます。
優位性がなくなっていくSBI証券。
また、2018年5月に確定拠出年金制度等の一部を改正する法律が施行されました。その内容の中にはiDeCoの商品数は上限35本にするという取り決めがあります。
猶予期間は2023年まで。
商品数が多いことがメリットだったSBI証券のiDeCoですが、更にその特徴もなくなることに。逆風はさらに強まったのです。
SBI証券のiDeCoに新プランが登場
しかし、そんな状況の中でSBI証券のiDeCoは新プランを発表します。
それがセレクトプランでした。
インデックスファンドは業界最安コストに
S&P500や全世界株式への投資が追加
ひふみ・セゾン投信 人気のアクティブファンド
まさにこれこそ投資家の求めていた理想の商品ラインアップ。
楽天証券のiDeCoまたマネックス証券のiDeCoのどちらにも劣らない。いやそれ以上の内容とも言えるでしょう。
パワーアップしたSBI証券のiDeCo
この記事ではSBI証券「セレクトプラン」でiDeCoをはじめるメリットとデメリットについて徹底的に考察していきます。
また現在のプランは「オリジナルプラン」と名称が変わり運用者は無料でプランを変更することが可能です。
ただし切替には通常の移管の手続きが2~3ヶ月ほどかかります。
・一時的に商品の全てが現金化
・その間の運用ができない(引き落としはされる)
以上2点には注意してください。
SBI証券のセレクトプランでiDeCoをはじめるメリット
それではまずSBI証券でiDeCoをはじめるメリットから整理をしていきます。
またこちらの記事ではセレクトプランについてを書いています。オリジナルプランについてはこちらを参照してください。
商品数は34本と豊富なラインアップ
(10月25日更新 おすすめはこの記事で)
SBI証券のiDeCoのセレクトプランは34商品がラインアップされます。(ターゲットイヤーは1本カウント)
マネックス証券のiDeCo(23商品)、楽天証券(32商品)よりも既に商品数が多いです。
ただし実はこれはデメリットにもなり得ます。
なぜなら上にも書いたようにiDeCoの商品ラインアップは35本。なので今後商品の追加をすることが難しくなるからです。
1年ごとに投資のトレンドは若干変わっていきますので、今までは見向きもされていなかった商品が今後注目を浴びるかもしれません。
ある程度商品数には余裕があることが望ましいです。
また、どうしても今後SBI証券が商品を複数追加するとなればせっかく今まで投資をしていた商品がラインナップから外されてしまうということもあり得ます。
現にオリジナルプランではそれが起きています。(67商品⇒35商品に)もちろん現金化はされますがモヤモヤ感は残りますよね。
業界最安となったインデックスファンド
SBI証券のiDeCoは最安コストのインデックスファンド「eMAXIS Slim」を国内株式、全世界株式、先進国株式、米国株式(S&P500)、新興国株式、国内債券、先進国債券、8資産均等型にラインナップ。
従来のプランと比べてより低コストになることはもちろん、今までは投資できなかったS&P500や全世界株式へと積立ができるようにもなりました。
現在のコスト比較はこちら
これまで業界最安値を誇っていた松井証券、またマネックス証券のiDeCoですがSBI証券のセレクトプランの発表によりインデックスファンドのコストはほぼ横並びに。
eMAXIS Slimシリーズを保有しているかどうかが信託報酬最安へのカギとなります。
eMAXIS Slimシリーズのインデックスファンドは、他社商品の信託報酬が引き下げられればすぐに対抗してコストを引き下げてきた実績があります。
また受益者還元型信託報酬という点も見逃せません。
受益者還元報酬とは
ファンドの純資産総額が一定の金額を超えると、その超えた部分についての信託報酬が安くなるという仕組みです。
eMAXIS Slimシリーズは今だけではなく今後も最安値であり続ける安心感があります。
インデックスファンドの本当の経費とされる実質コストについても抑えられてきており、ベンチマークとの目立った乖離はありません。
全世界株式への投資が可能に
SBI証券のiDeCoには複数の全世界株式ファンドへ投資ができる商品がラインナップされています。
実は全世界株式への投資ができるiDeCoの金融機関は数少なく、運用管理手数料が無料な金融機関でいうなら楽天証券とSBI証券のみとなります。
また全世界株式での投資指標が選べるのはSBI証券のiDeCoのみの特権です。
「eMAXIS Slim全世界株式」はベンチマークにMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスを採用しています。
この指標は世界の時価総額の上位約85%をカバーをしていますが、投資対象に日本を含んでいないことが特徴です。
「SBI 全世界株式」はベンチマークにMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスを採用しています。
この指標は世界のほぼ全てをカバーしています。楽天証券のiDeCoにある「楽天全米株式」はコチラと同じタイプです。
また「EXE-iグローバル中小株式ファンド」はSBI全世界株式インデックスファンドの中小型株をピックアップした位置付けのファンドとなります。
・日本を含まない全世界株
・日本を含む全世界株
・全世界株の中での中小株をピックアップ
自分の思いに合った全世界株式ファンドに投資ができることがSBI証券のiDeCoの特徴です。
アメリカ株はダウとS&P500に投資ができる
SBI証券のiDeCoでは全世界株に加えて、現在人気のアメリカ株にも
・iFreeNY・ダウインデックス
・eMAXSI SlimS&P500インデックス
以上2つの商品で「NYダウ」と「S&P500」の2つの指標を選んで投資ができます。
・分散によるリスク低減をはかるならS&P500
・大きくリターンを狙うのであればNYダウ
iDeCoはスイッチングも非課税で自由にできるので年ごとに相場を読んで投資をするのも面白く、どちらを選んでも外れがないのが米国株の良い点です。
アクティブファンドラインアップはNo1
「セレクトプラン」のアクティブファンドは完全に他者を意識した隙の無いラインナップへとなっています。
まずは「ジェイリバイブ」「ひふみ」といった長期的にリターンをあげて支持がされるアクティブファンドへと投資ができること。
ひふみとジェイリバイブはDC専用商品が購入できます。
DC専用商品は特定口座で購入する場合の商品よりも信託報酬が低くなるというメリットがあります。
次に今までは楽天証券のiDeCoでしか買えなかったセゾン投信が買えることにあります。
セゾン投信は一般的な投資信託とは違い専用の口座を開かなければ購入することはできません。
だからこそ「顔の見える=資産を任すことができる」ファンドとしての実績をしっかり顧客と作り上げてきました。
・バランスは株と債券を50:50の国際分散投資
・投資の達人は全世界への株式投資
特に人気があるのはバランス型です。
「リターンはマイルドでいいから、ある程度堅実な運用をしたい」という人にとっては最もしっくりくるアクティブファンドではないでしょうか。
信託報酬も値下げがされました。
運用管理手数料が無料
iDeCo運用時(毎月)にかかる手数料は3つあります。
イデコにかかる手数料一覧
・積立時にかかる手数料(国民年金連合会) 103円
・運用時にかかる手数料 (信託銀行) 64円
・運用時にかかる手数料(各金融機関) 自由
SBI証券のiDeCoはこのうちの運用管理手数料が無料です。
200以上ある金融機関の中で運営管理手数料が無料の金融機関は楽天証券や マネックス証券、また店舗型でいえば大和証券など全て合わせて6つしかありません。
例えば三菱UFJ銀行でiDeCoを始めた場合、毎月255円の手数料が余計に発生します。年間で3,060円。
その差は年数を追うごとに複利で更に広がります。
運用手数料が無料なことはiDeCoの金融機関を選ぶうえで必要不可欠です。
口座を1つしか持たないならSBI証券
SBI証券は日本また海外株の手数料が最安基準であることはもちろんですが、為替コストが他社より圧倒的に安いという絶対的なメリットがあります。
海外株式運用をするなら絶対に必須な口座です。
またIPO投資でも他社と一線を画しています。
・人気のあるIPO株式への取り扱いが豊富
・はずれてもポイントが貰える
もちろん口座をいくつも持つ人であれば
・投資信託は楽天証券
・米国株式はSBI証券
と最適な選択をしていくことがベストです。ただし多くの人にとっては証券会社を増やすことは管理面での面倒もあり、あまり変更をしたくはないはずです。
SBI証券はiDeCoにおいても「運用手数料が無料」「低コスト商品ラインナップが豊富」という絶対的な条件をクリアしています。
iDeCoも数ある金融機関の中でトップレベルのサービスであることは間違いはないのです。
後はもう好みの問題。
証券口座を多く持ちたくないという人であればSBI証券 を選ぶのが1番無難です。
SBI証券セレクトプランでiDeCoをはじめるデメリット
それではSBI証券でiDeCoをはじめるメリットを伝えたので次はデメリットについてを伝えていきます。
給付面の自由がやや弱い
SBI証券のiDeCoは給付の際に一括受取をするか年金のように分割受取をするかどちらかを選択となり、年金一時金併用での受給をすることが現状できません。
また年金受取も5年か10年の選択性です。
実はこれはかなり大事なポイントです。
iDeCoには受取時に2つの税優遇があります。
退職所得控除
一括受取の場合、退職金と合わせて以上の金額までは課税されない。超えた分についての1/2が退職所得扱いとなる控除のことです。
公的年金控除
分割で受取の場合は65歳までは70万円まで、65歳以上だと120万円までは税金がかからない。(公的年金と合わせて)超えた分についてのみ課税がされる。
SBI証券のiDeCoの場合、2つの税控除のどちらかしか受け取れないということです。
退職金が多い人の場合は退職金のみでこの退職所得控除を使ってしまうのであまり関係はありませんが、そうでない人は重要視したいポイントです。
ポイントの特典がない
SBI証券のiDeCoは同社サービスでもある投信マイレージの対象外です。資産保有残高によるポイントもつきません。
またiDeCoでのポイントはマネックス証券も対象外となっています。
楽天証券のiDeCo のみが資産残高に応じて半年ごとにポイントを付与するキャンペーンを行っています。
・ポイント付与率は投資信託残高の0.03%相当分
・上限は150ポイント。(残高50万円以上)
ポイントは12月と6月の残高確認後の2か月後に付与されました。
(私の例:2018年6月残高34万円×0.03%)
ポイント面ではやはり楽天が最強です。
スマホ対応がまだ&使いにくい
SBI証券のiDeCoはスマートフォン対応が遅れているのも問題です。スマホでもログインができますがPCと同じ画面で数字も小さく見えにくいです。
楽天証券や マネックス証券はスマホ対応ができていてすぐに投資損益を確認することができます。
(楽天証券のiDeCoの画面)
またSBI証券は楽天証券iDeCo のように総合口座とiDeCo口座を同じIDとパスワードで一括管理することもできません。
確定拠出年金専用のホームページへ行って「別のパスワードとID」を入力してログインする必要があります。
これも実際運用してみると損益を頻繁に確認したい人にとっては面倒な要素の1つです。
バランスファンドのラインアップは削減
商品ラインアップがオリジナルプランに比べて明らかに良くなったセレクトプランですが唯一残念だった点が1つあります。
それはバランスファンドが削減されてしまったこと。その中でも特に
・REITを含まない株と債券の6資産均等ファンド
・伝統的な株と債券のバランスファンド
これらの商品がなくなってしまったことはどうしても、もの寂しさが残ります。
ただし安定的な資産運用をしたいという方に対しては「iFree年金バランス」を選ぶ選択肢が増えました。
このファンドは日本の年金を運用する独立行政法人「GPIF」のポートフォリオを運用基準としておりその資産の35%を日本国債で占めます。
リスクを抑えた運用が可能です。
メリットとデメリットを比較してみて
SBI証券のセレクトプランでiDeCoをはじめる主なメリットとデメリットを比較しました。
新プランは商品ラインナップが更に低コストに、また投資家の意志が反映されたものとなりました。
バランスファンドが減ったとはいえ人気のアメリカ株に「NYダウ」と「S&P500」の2つの指標から選んで投資ができるというのは非常に魅力的です。
商品内容で考えるならばベストの金融機関といえます。
デメリットは給付面での自由がマネックス証券や楽天証券のiDeCoに比べるとやや弱いこと、また商品数が上限に近いので今後の投資トレンドの変化に弱いといったところです。
給付面ではできるだけ早い改善が望まれます。それらを踏まえたうえで結論をだしていくなら
SBI証券のiDeCoを選ぶべき人
・アメリカまた全世界株式の投資を軸にしたい
・最安コストでの投資がしたい
こういった思いがあるのであればSBI証券のiDeCoを選ぶべきです。もちろん自身のメイン口座だからという理由で始めるのもOKです。ただし
SBI証券のiDeCoを選ぶ必要がない人
・ポイントがお得な証券会社を選びたい
・最安じゃなくても分かりやすい方がいい
こういった人であればスマホからでも証券口座からすぐに損益が確認できる楽天証券のiDeCoを選んでいいかもしれません。
私の場合はそれがあてはまったので全米株式へと投資をしております。
S&P500よりも分散性が高く成長を期待できる全米へ投資ができるのも楽天証券のiDeCoの特権ですね。
まとめ
(今は口座開設キャンペーン中)
この記事ではSBI証券のセレクトプランでiDeCoをはじめるメリットとデメリットについてを紹介しました。
SBI証券のiDeCo はセレクトプランが発表されたことで
・インデックスファンドは最安基準になり
・アクティブファンドにはセゾン投信が追加
どの金融機関よりも隙のない商品ラインアップへとなりました。
全世界やアメリカへの投資も充実をしています
「NYダウ」また「S&P500」。アメリカへ株式への投資は2つの指標から選ぶ事ができ、全世界株式への投資も日本を含めるかどうかを選択できます。
フロンティア市場へ投資もでる商品もあり「iDeCoを通じて投資を楽しみたい」という人にこそ特に使ってみて欲しい口座です。
iDeCoは便利な制度とは聞いているけれど、なかなか踏み出せない方も多いかと思います。ただしまだ加入をしていない方は無料で資料も請求できます。
一度資料をとってみてはいかがでしょうか?