楽天証券が昨年から 楽天カードを利用して投資信託を購入することができるサービスをはじめています。
・設定金額は月100円~月50,000円まで
・他利用分と一緒に次月27日引き落とし
・ポイントを合わせての投資も可能
・積立指定日は毎月月初営業日
ようはショッピング同様に楽天カードを利用して投資信託を購入すれば1%のポイント還元があるということ。
上限の50,000円投資をすれば年間で6,000ポイントを得ることができるわけです。
総合口座だけではなくて、NISA、つみたてNISA口座にも対応をしています。
ただしこんなお得すぎるサービスにも1点だけ懸念事項が存在します。それは楽天カードによる投信購入は積立指定日が月初営業日に限定されてしまうということ。
自由に投資信託の購入日を選べないんです。
楽天カードつみたての成績を比較してみた
月初営業日に発注日が決まってしまう楽天カードによる投資信託の購入は
・国内資産は発注日に約定がされて
・海外資産は発注日翌日に約定がされます
資産が綺麗に右肩あがりにいくのなら月初の買付は期待値は高いです。
ただし相場はそんなに簡単なものではありません。
というよりも最近の傾向を見ていると、どうも下落トレンドに入るのは月初を過ぎたあたり・・。
つまり楽天カードで投資信託を買うことで高値掴みをしている可能性があるのではないか?
ということで早速気になったので 楽天カードでの投信購入によるリターンを代表的な資産クラスごとに調べてみました。
楽天カード積立の実績を調査
毎日積立に比べて優れているか
期間は2018年12月~2019年4月までの5回分
TOPIXの場合
TOPIXでの比較をした場合、過去5ヶ月平均で約0.41%ほど楽天カードでの投資信託の購入は毎日積立よりも高値掴みとなったことが分かりました。
また今年の日本株は増税の影響もあって軟調です。
ただし企業収益は底打ち傾向にあり、収益も伸びています。投資する価値がないと決めつけるには早いので要注意。
S&P500の場合
S&P500での比較をした場合、過去5ヶ月平均で約0.41%ほど楽天カードでの投資信託の購入は毎日積立よりも高値掴みとなったことが分かりました。
米国株は昨年の貿易摩擦や利上げ問題からはじまる株安から見事にV字回復してきています。
米中貿易摩擦による株安の余波はまだ続きそうですが、それでも世界全体の株式に比べて値下がりしないことにアメリカの強さがうかがえます。
全米株式の場合
全米株式での比較をした場合、過去5ヶ月平均で約0.4%ほど楽天カードでの投資信託の購入は毎日積立よりも高値掴みとなったことが分かりました。
S&P500に続き、全米株式も月初は高値掴みをしています。NYダウも同じで、昨年12月の株安の影響が大きく尾を引いています。
先進国株式の場合
先進国株式での比較をした場合、過去5ヶ月平均で約0.23%ほど楽天カードでの投資信託の購入は毎日積立よりも高値掴みとなったことが分かりました。
高値掴みとはなっていますが米国のみに比べるとやや緩和されることが分かります。欧州は2019年前半に調子が良かったこともその一因となりそうです。
新興国株式の場合
新興国株式での比較をした場合、過去5ヶ月平均で約0.14%ほど楽天カードでの投資信託の購入の方が毎日積立よりも割安できたことが分かりました。
唯一割安購入ができた資産クラスです。
理由は昨年12月の値下がりの影響度が米国や先進国株式に比べて大きくなかったから。
今年は順調に値をあげてきましたが、急落。やはり米中貿易摩擦次第ということになりそうです。
全世界株式の場合
全世界株式での比較をした場合、過去5ヶ月平均で約0.35%ほど楽天カードでの投資信託の購入は毎日積立よりも高値掴みとなったことが分かりました。
新興国が少し割安、日本と先進国は割高となれば後者が7割以上を占める全世界で見ればこの結果になるのは当然ですね。
過去の実績を比較してみた結果
6つのカテゴリでパフォーマンスの比較をしました。
過去5ヶ月(2018年12月~2019年4月)で比較をした場合、新興国株式を除く全てのカテゴリで楽天カードによる投資信託購入は高値掴みをしていることが分かりました。
原因としては間違いなく、昨年12月におきた相場の下落。
1ヶ月で約10%近い値下がりが起きているので、月初購入分はその値下がりをまともに直撃したことになります。
ただし2019年についていえば、比較的相場が堅調に復活してきたこともあり月初購入は毎日購入に比べて1.5%近く割安な買い方ができています。
5月は相場がやや不安定な局面が続いていますが、それを含めても今年だけで見れば楽天カードつみたては毎日つみたてに比べてパフォーマンスに分はありそうです。
高値掴みが怖い人は国債インデックスファンドの購入がおすすめ
(eMAXIS Slim国内債券 交付目論見書より)
楽天カードによるつみたて投資は無条件で購入額の1%のポイントが貯まるのでお得なサービスなことに間違いはないです。
ただしポイントの上限となる50,000円を毎月積み立てるのは家計の負担になりますし、そして何より高値掴みなんて例え0.1%でもしたくないわけで。
色々気になってしまう人には僕は「特定座口座でのeMAXIS Slim国内債券インデックスファンドの購入⇒即売却」をすすめています。
この商品は日本の国債や社債を投資対象とするインデックスファンドですが非常にボラティリティが小さいことが特徴です。
2019年で見れば、1日の値動きの7割以上が0.1%未満です。
この特徴をうまく生かします。
楽天カードでeMAXIS Slim国内債券インデックスファンドを積立
月初2営業日目に解約手続き
月初営業日に購入がされるので、翌日に解約手続きをする。少し面倒ですがこの方法をずっとループすれば損をするリスクは非常に低くなります。
そして、つみたてNISAを楽天証券で運用している人は
・つみたてNISAは楽天銀行とのマネーブリッジを活かして毎日積立でポイントGET
・特定口座はeMAXIS Slim国内債券インデックス5万円購入を永久ループ
こういった方法をすることでポイント効率をさらに高めることが可能です。
またこの商品のベンチマークである、国内債券という資産クラスは過去10年間で見れば1度も元本割れをしていないことにも注目できます。
自分の場合は「無駄にキャッシュを抱えていると妙に投資したくなってしまう」みたいな病気持ちなのでそういう意味でもこの商品を持ったりしています。
値上がりは殆どしない商品ですが、大きな株安が起きてもいつでも攻めれるみたいな心の余裕も長期投資には大事だなと今は思っています。
まとめ
2018年12月から2019年4月までという期間ですが楽天カードでのつみたてをした場合の各資産クラスの投資結果をまとめてみました。
過去5ヶ月で毎日積立と楽天カード購入での比較をした場合
・TOPIXは0.41%楽天カードの方が割高
・S&P500は0.41%楽天カードの方が割高
・全米株式は0.4%楽天カードの方が割高
・先進国株式は0.23%楽天カードの方が割高
・新興国株式は0.14%楽天カードの方が割安
・全世界株式は0.35%楽天カードの方が割高
という結果となりました。
あくまで調査期間は短いですが、 楽天カード積み立ては毎日積立に比べてやや高値掴みとなっていることが分かります。
ただし、昨年の12月の影響が大きくなったことが要因であり、2019年に関して言えば楽天カード積立のほうが毎日積立よりもパフォーマンスは優れます。
正直なところ僕個人の考えでいえば「月初の高値掴み」はいずれ平均化されてなくなるだろうなという確信があります。
月初に高値が本当に続くのであれば、スポットでその値動きを利用した投資ができるので残念なんですけどね。
ただし、上にも挙げた通り高値掴みが怖いという人は「特定口座でeMAXIS Slim国債インデックスファンドを積立⇒月初営業日翌日」に売却をすればリスクを抑えられます。
これなら50,000円を回すだけなので金銭負担も軽いです。
投資をするだけで1%のポイント還元が受けられる楽天カードによる投信積立。
もちろん他の証券会社ではこんなサービスはしていません。
まだ恩恵を得ていない方は是非やってみてくださいね。