共働きサラリーマンの家計簿

アラサーの投資+雑記ブログ

経理の仕事がなくなる?大丈夫。まずなくならないから理由を書いていく

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最近リアルで同業、つまり経理の方と話す機会が増えてきました。こういう集まりに来る人は非常に意識が高いです。そして上昇志向があるんですね。

口ぐちに彼らは言っています。

 

意識高い経理の発言

「作業しかやらない経理は要らなくなる」

「今後経理はますます人がいらなくなる」

「経理の人は危機感を持たないといけない」

 

彼らは非常にドM思想

自らの部署の破滅を願っているようにも見えるほど。あまりにもよく聞くので僕はもうこの手の話題に聞き飽きてきました。

 

でも自分も経理をする前によく思っていたんですね。

経理って今後大丈夫なの?

 

これについて最近になって答えが出ました。

結論から言うとまず間違いなく大丈夫

10年後も同じことを言われている未来が自分には見えます。「石油は枯渇する。」そう言われて実は全くしていないように。

少しその理由について書いていきます。

 

経理の仕事がなくなると言われる理由

まず、どうして経理の仕事がなくなると言われているか。その部分から。

 

経理の仕事がなくなる理由

会計ソフトの革新により伝票入力が一切不要に

請求書発行などの単純業務は自動化され消える

 

基本的にはAI技術の進歩によるところが大きいです。毎日、毎週、毎月と同じパターンで繰り返される仕事。

そんな生産性のない仕事はすぐにでも機械化されてしまい、なくなるだろうという推測です。

聞いていると何だかそれがまっとうな意見のようにも見えてきますよね。

 

経理の仕事はなくならない

 

しかし冒頭でも話したように、僕は経理の仕事はなくならないと考えています。

そしてそれは、今後経理が経営企画部といったステージで活躍するなどといった話ではありません。

ただ単純に"生産性のない経理仕事も結局は人間が必要になり続ける"といった話です。

 

その理由について書いていきます。AIで解決できない問題は現状山積みです。

 

AIによる作業は結局確認が必要

まずはAIの現状の把握から。

確かに、どんどんAIは発展してきています。例えば「得意先からの入金の消込業務」については多くの自動化パッケージが出ています。

でも実際のところ完全自動化には至りません。

 

入金消し込みすら完全自動化できない理由

・得意先によっては請求書通りに払ってこない

・イレギュラーな値引きや返品に後から気付く

 

振込手数料や月末帳端。結局のところこういった幾つもの揺らぎ要素にAIは対応できていないからです。

だから最終的には人間がチェックする必要があるのが現状です。半自動化と完全自動化には大きな隔たりがあります。

 

経費精算も不十分

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経費精算についても同じです。

レシートを写メするだけで自動で費用が分かる

こんな宣伝文句の会計ソフトも増えました。しかし大嘘もいいところです。全くもってそんなことはありません。

 

現状としてこの機能。実際使ってみると半数以下のレシートしか正確に読み取れないで業務で使えるレベルにありません。

 

そもそもレシートの形式なんて世の中に無数に存在していますよね。中には内容を見ても詳細が書いていないものもあります。

どこまでAIが進んだところで大元がおかしければそれに対応することはできないわけです。

車の自動運転をイメージしてみてください。

・高速道路はいけそうですが

・舗装されていない一般道は素人目に見ても難しい

それと同じことです。

 

日本中の経理が自動化を妨げるから

システムの不完全さはもちろんですが、自動化できない原因は悲しいことに人間にもあります。

会社、あるいはそこにいる経理が明らかに便利なイノベーションを拒絶する事実です。具体的な経験を踏まえて紹介します。

 

絶対に請求書は紙で欲しいマンの存在

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世の中には紙の請求書を、自社の綴りにとじていかないとダメといった人が数多くいます。

理解不能ですが絶対にいます

請求書なんて実物で出すよりも、オンラインでいつでもPDFで見る方が貰う側としては嬉しいですよね?

税務面でも問題がない。

 

実際に今私たちがAmazonで商品を購入するとき、請求書なんてそもそも付いていないわけで。個人消費者としてはそれが当たり前になってきていますよね。

でもそれが何故か会社となると拒否反応を示す人が多くいます。実際私のところでも請求書の電子化をすすめていますが、まだまだ理解をいただけていない会社も多いです。

 

これは請求書業務だけに限りません。新しいことに対して拒否反応を示す人はこの世の中、非常に多い。

それが変わらなければ経理構造も変わりません。

 

会社ごとに独自ルールを持ち出すから

上にあげた請求書を例にしてみます。会社によっては請求書は自社の専用フォームしか認めないという会社もあります。

ということで、わざわざその1社に合わせて請求書を手作業で作成する必要があるわけです。中にはその会社専用の手書き伝票が必要とされることもあります。

 

会社によって自由な支払い方も問題です

・事務手数料と称して毎月1,080円を取る

・請求書は全く見ずに自社の仕入れ基準で払う

 

振込手数料もそうですが、仕入れの計上規準も大きく異なります。大手ほど自己ルールがまかり通っていて、特殊な対応が必要なケースが多いです。

AIがそれらに適合化する未来はまだまだ先に思えます。

 

以上が経理が事務レベルでもなくならない理由です。何度もいいますが半自動化と完全自動化には大きな差があります。

 

経理がなくならない理由まとめ

AIによる経理事務は確認を必要とする

自動化が一般化できない特殊性がある

 

もうあらかた経理は減った

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(定時帰りですが人は全盛期の半数以下)

では今後の経理はどうなるのか。

無くなることはない。事務レベルでも人間が必要。ただし多くの人員を必要とする部署ではなくなった。

結論としてこれが事実です。

 

そして現状、ある程度の規模の会社であれば経理事務の半自動化は進んでいます。つまり既に十分に経理は減らされているわけです。

上にあげたように経理業務を完全に自動化することは、まず難しくこれ以上もう経理は減らさないわけです。

 

パートまたは派遣で済むのでは?

こういった話をすると一つ異論が産まれます。

 

作業の確認ならパート、派遣で十分では?

 

自分も以前はそう思っていました。ただ現実的には全く十分ではないんですよね。

何故なら半自動化で終わった作業の受け皿をするには、ある程度の知識やイレギュラー対応への慣れが必要となります。

 

パートタイマーにシステムができないことを、画一的にやらせるというのは絵に描いた餅にしかなりません。

ましてやそれでは責任の所在もありません。

 

 派遣社員に関して言えば、現在企業は派遣法の改正により、継続して同じ人間を3年以上派遣労働者として働かせることはできません。

結局のところ経理事務も大分野においてはクロージングをする正社員が必要ということです。

 

選民思想のある人間がいうだけ

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 ではなぜ、経理の仕事はなくなると意識高い系の経理マンは言うのでしょうか?

答えは一つ。

 

"自分は今後も活躍できるアピール"

 

これだけです。

結局のところ彼らの話を聞いているといつも突き当たるんですね。そういった部分に。

・予算管理

・監査対応

・有価証券報告書の作成

こういった経験をしている自分は会計がAI化されても生き残っていける。そんな世界を妄想しているわけです。

 

AIが更に進化したらどうなるの?

ただし少しそれに対して思うことがあります。

自分の都合のいいAIを予想していない?

ということです。

 

意識高い系の身勝手な予想

・この仕事まではAIに全てをやってもらえる。

・でもその先を行く部分に関しては、永久に人間(この場合は自分)のものである

 

AIにはできない。

自分しかやれないと思っている仕事。

それは本当にそうなのでしょうか。

 

今すでに半自動化されている作業。それが完全自動化されるとき。AIが未知の事象について経験から推測する学習機能を身につけているでしょう。

そして、それをAIが身につけてしまったとき、そもそも人間は必要でしょうか

 

半自動化が完全自動化される未来、会社業務は経営者の意思決定以外全てをAIに任せるという事態も考えられます。

それに経営者としても小難しいことを言わずに、自分の欲しい情報を最適化して伝えてくれるAI経理の方が嬉しいですよね。

 

まとめ

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長くなりましたが、まず結論としていいたいことは「経理はなくならない」という事実です。

 

自動運転ができる車がなかなか発売されない現状をみても、半自動化と自動化の壁は果てしなく大きい。

それは経理についても同じことです。

 

でも1つ壁を超えてしまえば分かりません

そうなれば世の中のいろんな職業がバランスを崩していきそうです。なにも経理だけに限らなく。

どの職であっても「人間であることの優位性」は消えていくかもしれません。まさにAIと人間の逆転ですね。

ただそれは少し楽しみだったりします。

全てがAIにより自動供給される。

「本当の意味で働かなくてもいい時代」

それがいつか来ることにもなるのですから。