ジュニアNISAとは子供の為の非課税投資制度です。
年間累積購入代金80万円までの投資で得た利益や配当金・分配金にかかる税金が5年の間0%(非課税)になります。
ただし原則として子供が18歳である年の前年の12月末(高校3年生の12月末)までは払い出しができません。
意外と誤解しがちなのが、あくまで払い出しはできないけれど投資をした商品を売ることは可能だということ。その後は課税ジュニア口座としての運用ができるんです。
引き出せないデメリットと引き換えに、非課税投資を1回できる枠を貰うみたいなイメージです。(※ただしカブドットコム証券は除く)
しかしそんなジュニアNISA口座ですが、あくまで現行の制度は2023年までとなっています。
つまり、5年の非課税投資期間を得たいなら今年からのスタートが望ましい。
以前こちらの記事ではネット3大証券のジュニアNISA口座の比較をしました。
今回は更に対象を広げ、カブドットコム証券、松井証券を含めたネット5大証券での比較をしていきます。
ジュニアNISA金融機関の一覧比較
まずはじめに5大証券会社の比較を一覧にしてみました。
最も規模が大きいのはSBI証券です。
やはり5大証券会社で比較をした場合でもジュニアNISAの口座にはSBI証券が1番だといえそうです。
・IPOの取り扱いが最も豊富
・ジュニアNISAで海外株式に投資ができる
・海外ETFの買付手数料が無料
以上がその主な理由です。
全世界(VT)また全米株式(VTI)へ最安コストで非課税投資ができること。
今やeMAXIS Slimをはじめとして多くの低コストインデックスファンドの発売がされています。よって昔に比べてコストメリットが少ないことは事実。
しかし長期投資が前提のジュニアNISA口座だからこそ小さな経費にもこだわりを持っていきたいです。
それでは細かい部分で他の証券会社との比較をしていきます。
ジュニアNISAの特典で比較
ジュニアNISAの特典で比較をした場合、最も優位性があるのはSBI証券です。
SBI証券のみ国内株式に加えて海外ETFの買付手数料が0円になるメリットもあるからです。
・SBI証券は国内株式売買手数料無料、海外ETFの買付手数料無料
・他4大証券は国内株式のみの取扱い手数料が無料。
通常NISA口座の投資の場合はマネックス証券も米国株や中国株の売買手数料が無料などの特典がありますが、ジュニアNISAにはその特典がありません。
SBI証券のジュニアNISAは一般NISAと比べても遜色のないサービスという点で評価ができます。
ジュニアNISAで買える商品で比較
次にジュニアNISAで買える商品を比較します。
・SBI証券は国内株式・投資信託・海外株式
・他4大証券は国内株式・投資信託
米国株や中国株をジュニアNISAで購入できる証券会社はSBI証券のみです。
FANGをはじめとした世界の中心を走る米国企業、成長率が著しい中国株への投資は今後のリターンにも大きく期待が持てます。
インデックスファンドを購入するという形でも疑似的な投資は可能ですが、それでも個別株には投資の醍醐味があります。
子供に投資を教えるという意味でもSBI証券のジュニアNISAの選択肢の豊富さは大きなメリットです。
投資信託の取り扱い本数での比較
・SBI証券の投資信託の本数は2,580本
・楽天証券の投資信託の本数は2,670本
・マネックス証券の投資信託の本数は1,171本
・カブドットコム証券の投資信託の本数は1,090本
・松井証券の投資信託の本数は707本
(2019年1月時点)
SBI証券と楽天証券がほぼ同数となっています。
マネックス証券、カブドットコム証券、松井証券はその2大証券に比べると商品のラインナップは半分以下。しかしそれが特に問題があるわけではありません。
・「ニッセイ」「eMAXISSlim」シリーズなどをはじめとする低コストインデックスファンド
・「ひふみ」などのアクティブファンド
主要な投資信託のほぼ全てがラインナップがされているからです。
楽天証券やSBI証券は一部ブルベア型であったり、アクティブファンドが多いというだけ。
特に商品本数によるメリットはありません。
ただしSBI証券は商品本数の多さに加えて、毎日・毎週・毎月など自由な設定で100円からの積立投資ができる点がメリットです。
またカブドットコム証券は100円からの投資ができない点にも注意をしてください。
IPO投資はどこができる?
IPO投資は楽天証券以外の4大証券会社は全て対応をしています。2018年の取扱い実績で比較をするなら
・SBI証券は86社
・マネックス証券は50社
・カブドットコム証券は24社
・松井証券は9社
SBI証券が圧倒的に取扱数は多いです。
ただしSBI証券は資金が多いほど抽選に多く申し込める仕組み。また非常にライバルが多くIPOが当たりにくいことも事実です。
それを踏まえると、完全抽選制かつライバルもそこまで多くはないマネックス証券へはチャンスUP目的としてジュニアNISA関係なく口座は作っておくべきです。
ポイントサービスの比較
ポイントサービスでの比較もしていきます。
ジュニアNISAの投資信託ポイントはSBI証券、楽天証券、松井証券が対応をしています。付与率が高いのはSBI証券ですが使いやすさに関しては楽天証券が優れています。
松井証券はポイント付与率はSBI証券とは変わらないものの「eMAXIS Slim」や「iFree」などの商品は対象外なのでメリットが少ないです。
・SBI証券は投信マイレージサービス
・楽天証券は投信保有による「投資信託資産形成ポイント」
それぞれの内容を比較します。
SBI証券の投信マイレージサービス
投信マイレージサービスとは投資信託の月間保有残高に応じて毎月ポイントが貯まるサービスです。
SBIポイントが貯まります。
ポイント付与率は1,000万未満の場合0.1%で、1,000万以上の場合は0.2%となります。ただし一部の低コストファンドに関しては0.05%または0.03%となります。
低コストファンドとは具体的にeMAXIS Slim(先進国は0.03%)、たわら、iFreeシリーズが0.05%に、また楽天シリーズのファンドは0.03%となります。
またSBIポイントの使い道は
・現金にする場合は1ポイント0.85円
・Tポイントやnanacoポイントへは等価
での交換をすることができます。
ただし現金にする場合は最低でも1,000P。Tポイントやnanacoポイントも最低500ポイントからの交換です。
1年目のポイントは4年目に失効するので注意が必要です。
楽天証券は資産形成ポイント
楽天証券の投信保有でのポイントサービスは「投資信託資産形成ポイント」が未成年口座の場合は適用されます。
楽天カードを利用することで買付金額×1%のポイントが貯まるサービスもありますが子供はカードを持てないのでメリットとはなりません。
投資信託資産形成ポイントは投資信託を月初次点で50万円以上保有していることで金額に応じたポイントがもらえます。
付与の条件はこの通りです。
(投資信託資産形成ポイントの一覧)
計算をしてみるとポイント付与率は最大で0.12%。ただし残高が増えていくと還元率が低くなることが分かります。
1,000万で500ポイント(0.06%)となり、2,000万円以上の場合はどれだけ残高が多くても毎月1,000ポイント一律となります。
また付与される楽天ポイントについては皆さんも知っている通り、楽天市場や楽天モバイルの支払など汎用性が広いですが2017年より投資信託の購入もすることもできるようになりました。
ただしジュニアNISA口座は対象外なので気をつけてください。
SPUも+1倍となります。
ポイントで考えるなら楽天証券
(SBIポイントは失効にも注意)
ポイント面で考えるのであれば楽天証券はSBI証券やマネックス証券に比べて圧倒的にサービス内容が優れています。
楽天銀行との連携によるポイント付与。
また投資信託保有残高でのポイント付与率は他と比べて劣るようにも見えますが無条件で殆どの投資信託でもポイントが貯まることが特徴です。
そして楽天ポイントは期間の優位性もあります。
楽天ポイントの有効期限は1年ですが1度でもポイントを獲得すれば有効期限は延長されます。
投資信託を10万円以上保有すれば毎月ポイントが付与されるので失効する心配はないわけです。
SBI証券で得たSBIポイントは年ごとに2年間繰り越されますが、4年目になると1年目のポイントは失効します。
証券会社ごとの特典や特徴もチェック
・海外ETFへ買付手数料が無料の投資ができるSBI証券
・ポイント面でお得な楽天証券
どうしてもジュニアNISAはこの2社が優れていると言わざる得ませんりしかし他の3社についてもジュニアNISA、また未成年口座を開いておくメリットは十分にあります。
簡単に紹介をしていきます。
カブドットコム証券はNISA口座を開設した方は特定口座の国内株式売買手数料が最大で5%割引となるサービスをしています。
NISA口座の継続年数に応じて割引率は1%ずつ上がるという仕組みであり、うまく使えばどこよりも安い手数料で国内株投資ができるようになります。
松井証券は特定口座で1日当たり10万円以下の約定なら国内株手数料が無料というメリットがあります。
手数料がどういう形であれ無料という証券会社は他にほとんどなく少額投資をしたい方は開いておくのも。
マネックス証券はジュニアNISA口座では取引ができないものの、特定口座での米国株の取扱数はどの証券会社よりも多いです。
また逆指値注文が米国株でできるのが個人投資家にとっては非常にありがたいです。
まとめ 目的別で楽天証券またはSBI証券
5大証券会社をジュニアNISAという観点で比較しましたが、やはりSBI証券と楽天証券のどちらを選ぶかがポイントです。
以上の2択となりますが、投資信託で運用するなら楽天証券、IPOや海外株投資を考えるならSBI証券という考えが良さそうです。
それぞれの特徴をもう1度整理すると
SBI証券のジュニアNISAはこんな人に向いています。
ジュニアNISAでは海外ETFを購入したい
IPO投資で1番チャンスを獲得したい
どの投資をするかまだ決めきれない
こういった人であればSBI証券が最もあっていそうです。口座数も1番多く無難な選択となりそうです。
楽天証券のジュニアNISAはこんな人に向いています。
ジュニアNISAでは投資信託で資産形成したい
管理画面が楽で子供にも見せやすいのがいい
家族で楽天経済圏に染まっている
こういった人であれば楽天証券が向いていますね。
取引や損益画面の見易さが群を抜いて分かりやすいので子供へ投資を教えるなら絶対に開いておきたい証券会社です。
投資は長期間になほど優位性が高まります
僕はSBI証券でジュニアNISAの口座を開設しました。全世界株式連動型の海外ETF「VT」へと投資をする予定です。
ジュニアNISAはあくまで投資。元本割れをすることだってありえます。
ただし2018年からはジュニアNISAのロールオーバー上限枠が撤廃されるなどその非課税メリットは更に魅力を増しました。
今投資をして5年後に投資元本がいくらになってもそのまま非課税メリットが続きます。
年利5%で運用ができれば、20年後に投資元本80万円は212万円と2.5倍以上に。これは過去の実績を見て全く難しい話ではありません。
複利がこれほど生きる環境はないわけです。
だからこそ早めに投資を初めて、リスクを分散しながら複利の効果を最大限に得ていきましょう。