FFファンとしてはニヤッとするところが多く外伝作品として十分に楽しめたゲーム。次作が出ればもちろん買いたい。
デフォルメされた2頭身のキャラはカジュアルで可愛いし、リミックスされた過去のFFのBGMには懐かしさとセンスの良さが共存した。
ただし1本のRPGとして同作品を見た場合、正直なところWOFF(ワールドオブファイナルファンタジー)は「不完全な作品」と評価をせざる得ない。
その魅力を上回るほどの不満また改善すべき点があったことは事実だからだ。
今回はそんな「WOFF」について面白かったところや残念だった部分をあげてみることにした。
購入を迷っている人の参考になれば幸いだ。
- まずはどんなゲームなのか
- ボリュームはちょうど良かった
- グラフィックとBGMが郷愁を誘う
- 入り込めないストーリーが勿体無い
- バトルは従来のATBでテンポが良い
- 豊富なミラージュ。ただし個性がない
- 成長システムには不満。自由度なく単調
- 他にも気になった点を箇条書き
- FFファンの為の1本。名作になり得た良作
まずはどんなゲームなのか
(自分を含めた、6体2ユニットでPTを組む)
ティーダ、ユーナ、バッツ、ライトニングetc…。過去のFFのキャラが多く登場するが、あくまでオリジナルキャラの双子の姉弟が主人公のRPG。
失った記憶を取り戻すため、異世界にいる「ミラージュ」と呼ばれるモンスターを集めていくところから物語は始まる。
ゲームシステムとしてはポケモンまたはDQモンスターズをイメージすると分かりやすい。
敵としてエンカウントする「ミラージュ」を捕まえて仲間にできる。3キャラで1つのPTを作って戦闘をする。PTは1つのユニットとして合体もできる。
ダンジョンをクリアしていく形式でストーリーは進んでいくのでどこで何をすれば良いか分からないということにはなりにくい。
テンポも良くさくさくと進むゲーム。
ボリュームはちょうど良かった
いくつかの終わりがあるのもこのゲームの特徴。さらっとプレイする人は20〜30時間でノーマルエンディングに辿り着く。自分の場合は真エンドまで遊んで60時間ほどのプレイ時間。
やり込みとしては
・レベルの高い相手と対戦して報酬が貰える闘技場
・FFキャラの日常を体験できるココロクエスト
その2つ。
また自分はやらなかったがミラージュのネット対戦や、コレクターとしてそれを全部集めようとすればプレイ時間は100時間では到底足りないはずだ。
さすがスクエニ。
ライト、ヘビー。各プレイヤーに合わせて遊び方を提供する姿勢は毎度ながら評価したい。FF15もそうだった。
寄り道部分こそFFファンの心に響く
二つのやり込み要素は飽きてしまいがちなダンジョン攻略の良い息抜きになった。
闘技場は経験値は貰えない。しかし報酬がゲームバランスを崩さない程度に魅力があり強敵への挑戦が手軽に楽しめる。
欲を言えば、会話イベント付きの対戦がもう少し欲しかった。やや単調。せっかくのこのゲームの良さが活かしきれていなく味気ない。
ココロクエストはWOFFを語るにおいて外せない。いわゆるサイドストーリーなのだがゲスト出演する過去のFFキャラたちの"その後の姿"を見ることが出来る。
戦闘もあるが何でもない会話や日常がメイン。
これでいい。懐かしさがこみ上げる。
グラフィックとBGMが郷愁を誘う
絵本の中にいるような暖かい世界観。そこに流れる親和性の高いBGM。あまりに心地よくてずっとその場所にいたくなる。
反面、新しい世界を冒険したくもなる。
MAPには過去のFFに登場した場所が多く出てくる。
・バラムガーデン(FF8)
・ビッグブリッジ(FF5)
「ここは8の収容所か。めんどくさかったなあ」なんて10年以上前にプレイした過去作への郷愁に駆られることも。
BGMは過去のFFシリーズ楽曲がアレンジされて蘇る。それもまたセンスが良い。昔プレイをしたFFを「MAP・BGM・キャラクター」その全てで追憶できること。それだけでWOFFは十分に買う価値があった。
入り込めないストーリーが勿体無い
柔らかい世界観の中で可愛らしいキャラたちが怖い言葉を発することがある。「命を削る」「生贄」など。
記憶を取り戻すための明るい物語だったはずがだんだんとその様相を変えていき物語は核心に迫っていく。
全編フルボイスの音声もそんなストーリーの盛り上げに一役買ってくれる。
ただしプレイヤーとしてどこかハマり込めない感覚があることは事実。
それは主人公達の寒い掛け合いにあるかもしれないし、急に出てくる違和感のあるアニメーションのせいかもしれない。
深刻さを増していくストーリーに対して主人公達はどこか上の空に見える。切迫感がなく間延びしている。
ただしラスト(真エンド)はスッキリとしていて昨今のFFにない潔さを感じた点は評価したい。
バトルは従来のATBでテンポが良い
アクティブ。ウェイト。セミオートからバトルモードは選択可能。自分はウェイトでプレイした。
敵と味方で共通したATBゲージが表示されているから戦略が立てやすい。FF10のCTB(カウントタイムバトル)のようなイメージだ。
固有アビリティーに対しての戦闘エフェクトも豊富で色々な技を試してもみたくなる。
自分を含めたPT全員が戦闘に参加するが
・合体して戦う「ノセノセ」
・個々で戦う「バラバラ」
どちらを選ぶかはプレイヤーの判断次第。相性や弱点、戦闘状況によって使い分ける。ノセノセ状態になると「ファイラ→ファイガ」というようにアビリティが強化されることも。
反面で弱点も蓄積されるデメリットもあるので、ステータス含めPTをどう組み合わせるかを試行錯誤するのは面白かった。
豊富なミラージュ。ただし個性がない
数百種にも上るミラージュ。しかし似たような特性やステータスが多く中盤以降はワクワク出来なくなっていく。
捕まえてもレベルは1から。手持ちで連れていかないとそれも上がらない。中盤以降は新しく育てる気持ちもだんだんと消えていく。
「捕まえるのが難しいが強力なミラージュ」そういったアクセントも欲しかった。バランスはとれているといえる。しかしこれでは面白味にかける。
ミラージュを組み合わせることによる自分だけのPTを作る楽しさ。そんないい土台がありながら没個性化したミラージュの能力により魅力は半減。
プレイしていて飽きを感じることも。
成長システムには不満。自由度なく単調
捕まえたミラージュの成長はレベルアップで得たAPでマスを埋めていくというもの。取得の分岐はあるが結局全部取ることになるので、あまり意味がない。
そしてミラージュは条件がそろえば「ヘンシンカ」と呼ばれる進化ができる。ただこの仕組みが不親切。
ヘンシンカはレベルを上げればいいわけではない。特定のアイテムを必要とする。「それが何か」「どう手に入れるか」が分からない。
せっかくの手塩をかけて育てたモンスター。しかしレベルがいくつになっても、進化できないことが何度もあった。
また、アビリティを引き継ぐ配合や転生も欲しかった。
それだけで遊びの幅がグッと広がったはず。
"プレイヤーが強くなりすぎないように"そんな制作側の意図が見える。ゴールをあらかじめ決められている感じで成長に自由度がなくワクワクしない。
試行錯誤する余地がないのはつまらない。
他にも気になった点を箇条書き
他にもいくつか思うところを箇条書きにしてあげていく。良い点悪い点それぞれだ。
ダンジョンにあるギミックがめんどくさい
ポケモンの「いあいぎり」のようなイメージ。
これが面倒。
秘伝マシンのようなものはなくミュウのような万能キャラもいない。それだけで手持ちのPTが制限される。
何が必要か分からないのでダンジョン途中で引き返したことも。ミラージュを入れ替えるアイテムもあるが割高な価格設定にも不満を覚えた。
エンカウント制は割とアリ
昔ながらのエンカウントで戦闘は始まるが今や新鮮さすら感じる不思議。ウザさは感じないほどのエンカウント率。
2倍速できる点は評価
1周目から可能。さくさくと戦闘が進むので非常に快適。会話イベントも2倍速にできる。
アニメは不要
ふんわりとして、どこかミステリアスな世界観。そこにアニメが現れるともはや違和感しか産まれない。
アイテムのソートができないのが面倒
地味に不便。特定のよく使うアイテム。それを毎回下までスクロールして選ぶのがめんどくさい。
ゲストのFFキャラはあくまで案内人
過去のFFに登場するキャラが多く登場するが良くも悪くもあくまで案内人。キーとなるNPCをそのままFFキャラにすり替えただけのようなイメージだ。
誰にとって変わっても問題ないのは少し寂しい。
VITAでのプレイは違和感なし
もともとが美麗でリアルなグラフィックではない。だからVITAでプレイしても違和感はなかった。処理落ちもあまり気にならない。
なんだかんだ新しいミラージュ捕まえるのはたのしい
トンベリ、ベヒーモス、ゴブリン。FFといえば連想するキャラがそれぞれ可愛くデフォルメされて登場する。
イフリートの進化前「イフチー」など、馴染みの召喚獣の知らない側面が観れるのもGood。
クリア後の要素はありがたい
・隠しダンジョンはもちろん
・主人公たちをノセノセに含めないで良くなる
これが嬉しい。
惜しむらくはミラージュ育成のやりこみ要素が少ないこと。配合または継承。そんなシステムさえあればスルメゲーになり得たはずだ。
FFファンの為の1本。名作になり得た良作
結論として僕がこの作品に対して言いたいこと
FFシリーズが好きな人なら買い!
これだけだ。
外伝作品だからこその強いFF愛を感じる。
キャラ辞典を見るだけでも楽しめる。
・懐かしのキャラに会えることはもちろん
・とにかくBGMのセンスがいい。
ノスタルジーがあふれだす。
お気に入りの音楽を聴くためだけに、用もない場所を訪れたりしたほどだ。
しかし、だからこそ惜しいとも思った作品。
テンポよくサイドイベントも充実。ただし肝心のストーリー。そこにイマイチ入り込めない。どこかズレている感じがずっと続く。
モンスター育成のやり込み要素が薄いのも飽きを加速させるポイントだ。それさえ良ければもっと愛される作品になり得たはずだ。
事実としてこのゲーム。初週に10万を出荷するなど発売当初の売上は好調だったがすぐに中古市場に並びはじめた。半額以下の低価格で。
(懐かしのバラムガーデン)
しかしそれでも「未完成ながら良作」
そしてFFシリーズ好きにとってのファンディスク。
僕はこのゲームを手放さない。
そして次作の発表を今か今かと待ち望んでいる。

今はリネレボ2にハマってます。これくっそ面白いんですよ。
・美麗なグラフィックとか
・オープンフィールドとか
まぁそんなものはどうでもよくて、とにかく要塞戦が燃えるし、みなぎる
DLしてもらえればすぐに分かるかと。
コツコツが報われるんだけど長時間プレイも廃課金も必要なくて、すぐにトップ層に追いつけました。
せっかくやるんなら本気で。
やっと長く遊べるゲームと出会えました。
こんなハマったのはパズドラ以来