これがドラクエ。お帰りなさい。
そんなシリーズとしての集大成を感じる名作。それがDQ11への正直な感想だ。これをドラクエ10としてキリよく締めたかったと思うほど。(決してオンラインのDQ10批判ではなく)
新しい作品に僕は触れている、でもどこか懐かしさを思わせる感覚。それはクリアした後も感覚としてまだ残る。
・相変わらずのボイスなし
・目を離しても許される戦闘
そんな"ドラクエらしさ"は今作も変わらない。
加えていえば、例えばDQ3のジパングのオマージュを思わせるような街並があったり、冒険を盛り上げるオーケストラには過去の曲が多かった。
それらもプレイしている場面場面で『ああ、自分はドラクエをプレイしているんだ』と感慨深く思わせてくれた大きな理由。
だからこそ3DS、PS4とある同作品。自分はPS4でプレイして欲しいと強く思う。
新しいゲームが出ればテレビにかじりつき親に怒られてまでプレイしたあの頃。
現実に疲れた大人たち。
当時を思い出しながらコーヒーを片手にソファーへ座る。そしておもむろにPS4を起動する。ゆったりとした時間が流れる。そんな風に楽しんで欲しい。
新作だがノスタルジーと共にある。少しそんなDQ11に対して評価また感想を話していきたい。
- 感情がハッキリ見えるようになった仲間、そして主人公
- 昔ながらのシステムは正当に進化した
- 戦闘は常に新鮮で飽きが来ない
- オープンワールド不要。躍動感ある風景
- ストーリーはドラマにあふれる
- やり込み感が薄いのは寂しい
- 他に気になった点をあげていく
- 結論:ドラクエの集大成。名作。
感情がハッキリ見えるようになった仲間、そして主人公
ストーリーの大きな目的。それはほかのドラクエと変わらない。しかしキャラに対する感情移入。この作品、間違いなくシリーズを通して抜きん出ている。
グラフィックが綺麗になったことでイベントシーンでは仲間の表情がリアルに分かる。いくつもの障害を乗り越えて成長していく姿を実感できる。
またドラクエといえば主人公が話さないということが特徴。それにどこか物寂さを感じたり、冷たさを思うことは昔からあった。けれど今回は違う。
もちろん主人公は話さない。しかし物言わずとも彼の意思はプレーヤーに伝わる。仲間に対しての熱い思い。それが確かに存在していることも分かるのだ。
今までのドラクエのストーリーの良さはあくまで第三者的な感覚だった。いい話だなと。今回は違う。
僕は主人公として物語に参加する。
キャンプでの会話がキャラを引き立たせる
今作からできた仕様。ここではセーブしたり休んだりすることができる。装備の打ち直しや道具補充も。
そして何より楽しいのがそこで仲間との会話ができること。不安や焦燥、期待。そんな人間らしい思いを抱える仲間のリアルが分かる。イベントの節目ごとに会話パターンは異なるから用もないのに何度もキャンプしてしまう。
もちろんそれをしない人も多いと思う。でもだからこそだろうか。
こんな評価されにくい物語の本質から外れた部分。それに対してちゃんと会話パターンを作るスクエニ。作品への深い愛を感じる。そしてこんな要素が物語の深みとなる。
昔ながらのシステムは正当に進化した
変わらないメニュー画面。分かりやすいMAPや直感的な操作性。それらは更にストレスがないものへとなっている。□ボタン一発で確認できる地図はとても見やすい。
最近よくあるような、目的地が光るシステムとかではない。あくまで会話やストーリーの流れから自分で行く場所を考える。
しかしそれを見つけられない。何をすればいいか分からない。そうなっても困らないようにMAPには冒険のヒントを与えてくれるNPCをピンクのマークで示してくれる。ナビゲーションもある。
そのNPCに話しかければ彼らは世界観を壊すことない"冒険の手がかり"を教えてくれる。広大な世界だけれど迷わない。
またゲームの開始時のロードでは今までの冒険を簡単に振り返ってくれる。久しぶりにプレイをしても自分の立ち位置を見失わない。
今作初の試みとしては縛りプレイの追加があった。
・防具の装備禁止
・買い物禁止
など他にもいくつか。
しかしながら80時間ほど真クリアまでにかかったこのゲーム。さすがにもうそれで遊びたいとはおもえない。
戦闘は常に新鮮で飽きが来ない
新システムであるゾーン。そこからの連携技は同シリーズの8にあったテンションのようにコマンドで選ぶわけではなく、一定条件(ターンor被ダメなど)での確率をもとに発生する。(※一部を除く)
ピンチを打破するようなものにもなるが、それに依存をしすぎない設計。退屈になりがちなドラクエの戦闘のいいアクセントにも。
また今回個人的に1番嬉しかったポイントは、戦闘に参加しないメンバーにも同じだけ経験値が入ること。控えメンバーも均等にレベルが上がることで逆に使ってみようという気持ちにもなる。
意外とそれが新鮮で面白い。
また今作は従来のように、仲間全体の行動をターンの始めに決めるという形式ではない。キャラの行動する順番がきたらその都度行動を決めていく感じ。
FF10のCTB(カウントタイムバトル)のようなイメージだけれど、異なるのはあくまで大きな枠としての1ターンは存在するということ。
なのでピオリムしたからといって行動が2回できるわけではない。そのターンの中での行動順番が早くなるだけ。でも臨場感を楽しめる。
残念なのはAI戦闘の頭の悪さ
普通はシリーズを追うごとに賢くなるはずのAIは今作品で間違いなく退化している。
例えばあるキャラのコンボ技。
①眠らせる
②眠らせた相手に大ダメージ
そんな2ターンを必要とするものがある。
AIがそれを理解していないとは思えない。しかし寝てもいない敵に対してそのコンボ第2段階の技から使ってしまう。MPまで消費して。
最適解を常に選択するまでは求めない。ただ完成度の高いゲームだからこそ、もう少し何とかならなかったのかと思ってしまう。
オープンワールド不要。躍動感ある風景
オープンワールドではない。空も飛べるようになるが他作品のようにどこでも自由に降りれるというわけではない。
でもこれでいい。
街には個性があり、マップには息づく風景がある。特に川を見たときに驚いた。水の透明感や躍動感は同社の作品でもあるFF15を凌駕している。
そしてそこに存在するモンスター。中には集団行動していたり敵対をしていたり。この世界で確かに生きているとわかる生活感がチラホラ見える。
戦闘時の豊富なアニメーションもかつてない迫力、そしてリアル。
ただし同時に違和感を感じることも。
息づいている自然な世界をアニメ調でのっぺりとした主人公が歩くわけだ。その2つがマッチしない。はめ込み感がある。
これがドラクエらしさといえばそれまでだが自分にはそのグラフィック、統一感なくチープに見えた。
イベントシーンでのキャラの感情表現は素晴らしく、カメラワークでの演出も見事。だからこそこの”浮き出た部分”がもったいなく見えてしまう。
ストーリーはドラマにあふれる
細かいストーリー、長めのストーリー。それぞれがいくつも混在しているが一つの目標として区切りがいくつもある。だからダレるということがない。
ハートフルないくつものストーリーはドラクエ7を思い出す。ただしリアルな映像や人間らしい仕草を見るとあの時以上に特別な思いが溢れていく。
出会いはもちろん、特筆すべきは別れ。それをここまで意識したドラクエははじめてだ。
難易度はノーマルクリアまでなら優しい
またストーリーの難易度はクリアだけなら特に難しくもなくレベル上げもあまり必要ない。自分は特にメタル狩りもしなかったがエンディングを見ることができた。
ただし全くレベル上げが必要ないというわけではなく、終盤になると敵の攻撃も痛くなり中ボスでは全滅も。緩めであるがバランスが取れている。
またクリア後の真エンドを目指す場合、そう簡単にはいかなくなる。DQ11の場合、この追加部分は単なるおまけ要素ではない。むしろそれが本編とも言えるほど。
プレイ時間だけならノーマルクリアに費やした半分ほどはかかるだろう。詳しくいうとネタバレになってしまうので控えておく。
やり込み感が薄いのは寂しい
(スキルマップをポイント消費で埋めていく)
キャラの成長はレベルアップ時に貰えるスキルポイントを固有スキルに振り分けをしていくことで行える。
そのスキルはキャラにより違うので、1キャラに1職業のようなイメージとなる。それぞれに個性が出るのではじめは面白くも感じるが物足りなさも。
・DQ7のように転職を全て網羅したり
・DQ9のように転生の繰り返しをしたり
そういった、万能キャラへと果てしなく強くなっていくやり込み要素がないのは少し寂しい。防具や武器練成が主なやり込み。DQ8のようなイメージだ。
他に気になった点をあげていく
全体的には間違いなく完成度の高い今作だが細かいところで気になる部分もあったので書いていく。
ヒロインには思い入れが湧かない。
確かに序盤には登場した。でも冒険を進め、仲間に対して思い入れが深くなるほど彼女の存在を忘れていった。
それが最後の最後。急に幼馴染アピールをしてくるわけだ。違和感しか感じない。
欲を言えば仲間との結婚イベントが欲しかった。
ボウガンアドベンチャーがマジでいらない(PS4のみ)
(夕方以降はマジで分からない)
それ自体の的のわかりにくさ、つまらなさは勿論。
・宝箱を取りたいだけ
・落ちているものを調べたいだけ
そんな時に○ボタンを押してしまうだけで近くの敵へと発射してしまうボウガン。このせいで自分は何度やりたくない戦闘をしたか分からない。
甚だ不愉快。
R2ボタンなどは使用しないのだから、そこにボウガンの発射ボタンを割り振って欲しかった。デバック段階で意見が出なかったことが不思議だ。
戦闘のフリー移動バトルは不要?
戦闘中に自由に動くことができる。ただし全く戦闘に影響は与えない。正直なところ価値が見出せない。仲間キャラの行動も見えなくなる。
自動で演出も見れるオートカメラバトルでいいような気がした。
加えて言うならせっかくフリー移動バトルを実装するのであればどこか遊び要素が欲しかった。
マジスロだけで買う価値はあった(PS4のみ)
(役物ガシャーン!)
80時間で真エンドを迎えて何故100時間プレイしているのか。マジスロにハマったから。20時間以上プレイしている。
マジスロはドラクエのカジノの中にある遊戯の1つ。”マジックスロット”の略とは思うが敢えていおう。マジなスロットだ。
これが本当によくできているというか、明らかに製作者。スロット(実機)を愛している。
・大当たり確定時に落ちるスライムの役物
・北斗の拳バトルモードを思わせるチャレンジバトル
・リプレイ外しによるボーナス引き
そして極み付けは"プチュン後の全回転ロングフリーズ"もうダメかと思った時の復活演出も絶妙。終わりどきが見つからない。
間違いなく実機より楽しい。なぜなら実機のシステムを踏襲しながらも、規制や当たり確率はデタラメ。ぽこじゃか増える。
スロッターが夢見た神台。それがなぜかドラクエに。
結論:ドラクエの集大成。名作。
いくつか正直に不満点もあげた。
しかし今までドラクエをプレイしてきた人にとって正にその集大成、満足できる名作だ。
・美麗で躍動感あるグラフィック
・ゲーム慣れしてなくても分かるシステム周り
それらはもちろん評価すべきポイント。だが個人的には仲間また主人公に対して感情移入ができたこと。
それこそが本作に対して自分が最も心を揺り動かされた所となる。これまでのドラクエシリーズとは似ているようでやっぱり違う。第三者視点ではなく僕は冒険に参加していたのだ。
もちろん周りでの評価も高い。殆どが国内での売り上げにもかかわらず
・3DSの売上は174万本
・PS4の売上は134万本
(ファミ通2017年の調査より)と販売本数は300万本を突破した。
買うならPS4バージョンをプレイしてほしい。大画面のテレビでノスタルジーを感じながら。あの頃必死でプレイしたドラクエはいつのまにか自分にとってそんなゲームへとなっていた。
でも別にそれでいいのだ。
変わらない良さ。そして郷愁。新作であってもそんな風情がドラクエには存在する。携帯ゲームはスマホアプリ(星ドラ)で十分堪能できる。たまには腰を据えてゆったりとゲームをしてみてはいかがだろうか。
今はリネレボ2にハマってます。これくっそ面白いんですよ。
・美麗なグラフィックとか
・オープンフィールドとか
まぁそんなものはどうでもよくて、とにかく要塞戦が燃えるし、みなぎる
DLしてもらえればすぐに分かるかと。
コツコツが報われるんだけど長時間プレイも廃課金も必要なくて、すぐにトップ層に追いつけました。
せっかくやるんなら本気で。
やっと長く遊べるゲームと出会えました。
こんなハマったのはパズドラ以来