最近すごいニュースになっているこの問題。
内容としては
金子議員が宿舎の近くにある議員会館での仕事に向かう途中、同会館内にある保育所に子供を預けるため公用車に子供を乗せたという話。
正直なところ嫁と2人でこの報道を見たときは『これって騒ぐほどのことか?むしろあかんの?』と話していて。
まあ議員としてのモラルやマナーとしてあまり良くない話なのかな?くらいに聞いていた。
けれど真鍋かおりさんが情報番組で言った
「このケースで仕事の途中で保育園に送っていくことがダメなんだったら、もう働くお母さん誰1人、仕事と子育て両立できないと思うんですよ」
この発言が導火線となったのか、自民党は働くお母さんを応援しないってこと?みたいな話まで発展。そしてこの問題は子育て論じゃないという東国原さんやこれくらい許容すべきという橋下さんまで登場。なかなか収集の付かない話題となっているようだった。
これくらいはいいみたいな判断基準ほど危ないことはない
それらの議論を見ていたら一つだけいかにも正論なんだけれどもやっとした意見の1つの中に、ある女性芸能人が言った『車は使って良いか悪いかは置いといて、これは許してほしいなって思う』という言葉がある。
出たー。これは…このくらいは…議論。
僕は社員の経費精算チェックをしているといつもそんなグレーゾーンにぶつかる。
ただし嫁も前述した女性芸能人と同じような事を言うから僕は彼女に聞いてみた。
『僕は東京出張に行く時に毎回東京の友達と会うけれどこれは許される?』
『仕事の出張で東京行ったついでだから許されると思う』
これはまあ。そうなのかなあ。実際僕が友達に会おうが会わまいが僕は東京⇄名古屋間の旅費の領収書を出して精算するんだから。でもこれだっていわゆる帰るまでが遠足だ理論からすれば社会人としてのマナーを犯しているともいえそうだ。
次に聞いてみた。
『僕が東京から名古屋に帰る時に温泉に入りたくなって熱海で途中下車する事は許される?』
『本来の東京⇄名古屋区間だけ旅費を請求するなら許されると思う』
まあ嫁らしい優しい答えだなあと思った。でもここで1つの問題がある。会社には旅費規定があって特急車両については領収書を添付しないと精算をしてもらうことはできない。でも熱海に行った事はバレたくない。それならどうするのと嫁に聞いた。
『帰りの領収書無くしたって言っても許されると思う』
よっしゃこの言葉が聞きたかったんやと僕は喜び勇んで(上の表の一番下)熱海を経由したけれど本来貰える旅費より少額で行く方法がある話をした。
『バカらしー。こんなことするはずないじゃん。』という嫁。でもいるんだよなあ実際には、これらの例とは異なる方法だけれど小さな不正を習慣のようにおこなう人達は。
『税金と会社のお金は違うよ』とも嫁は言った。確かにそれはそうだ。でも結局やっているのは同じ人間なわけで。
そしてそういった人達が実際に会うとけち臭さを見せたり、また金に汚い人かというと決してそうではない。
彼らもはじめは、これだけは…これくらいは…から不正に慣れていったのだ。
給与が多くても不正するやつはするし、しない人は給料が少なかろうとやらない。今回の話と議員がどれだけ給料を貰ってるかの話は別問題だ
これらの議論の中で頻繁に見たのは国会議員の給与が年間2400万、通信交通滞在費が1200万あるという話を出して、これだけもらってるんだからケチケチするなよみたいな意見。
僕はもうこれらの意見は議論を歪めてるだけじゃないの?と思ってしまった。
それにいい加減僕らは学ばないといけない。
レクサスの営業をしている友達は『実際めっちゃ値切られるで』と言っていた。
格安スマホは年収が高い人程利用者が多いという結果は先日発表された。
また僕たちは見たはずだ。舛添要一を。
金持ちであればケチじゃないなんてのはもう過去の話なんだ。
それに例えば国会議員の給料が年間200万しかなかったとしたらこの問題は許されるのか?っていうのも変な話だ。
そのやっている内容に変わりはないしまたそれがいくらであろうと国会議員の給料の源が国民の血税であることには変わりはないのだから。
金子議員はすぐに謝罪していたのでこの話を芸能人は蒸し返す必要はなかった
ここが1番大事なのかもしれない。金子議員はこれらの批判に対してすぐに
『仕事と家庭の両立に悩みながら、日々をなんとかやり繰りされているご家庭の皆様、保育所にお子さまを預けることができず不安な日々を送っておられる皆様に、不快な思いをさせてしまったのではと、心より申し訳なく思う次第です』
と陳謝していて。
もちろん私的な目的のために公用車を呼び出し使用したというような事実は一切ないとはここでも伝えている。
もうこれで十分じゃないだろうか。
このケースは金子議員に対して誰もが明らかに悪意があったという言い方はしていないし、また誰かが損失を被ったわけでもない。グレーゾーンだったからこそ問題になったわけで。
それだとこの論題はやっぱり始めに僕が感じた国会議員としてのモラルの問題という範疇は超えないのだ。
それで当事者がもう謝ってんだから議論はここでクローズするべきなんじゃないだろうか。
それを庶民がとっつきやすい問題ということでマスコミさんが色んな芸能人に意見を言わせる。また彼らもそれに同調してSNSで意見を発する。
いくつかの意見は擁護も多く先程も言ったようなワーキングマザー子育て論なんかまでに発展しているのだが既に陳謝している金子議員にとっては終わった話だろうし傍迷惑でしかないような気がする。
にしてもワーキングマザーの子育てについては『子供と言えば許されると思うなよ、お前が好きで産んだんだろ』という非常に強力な声がその陰にあることはみんな気づいていて。
(だから僕は子供が風邪ひいたときは自分が仕事切り上げて迎えにいくようにしていたりもする。)
それは、正社員を目指している派遣社員が福利厚生の充実した女性正社員に持つ嫉妬だったり、不妊治療がなかなかうまくいかなくてかさむ費用への苛だちや不安だったり、また職場のブラック環境だったりと多くの社会の闇部分からきているような気もする。
マスコミさんも金子議員のこんな小さな、しかもクローズされた話題に対して突っ込んでいくのではなくて現代社会の抱えるそれらの問題にどんどん突っ込んでいってほしい。
誰かを特定して批判するよりもその方がきっと世の中上手く回ると僕は思うんだ。