つみたてNISAがスタートして、iDeCoがやっとそれなりに多くの人に知って貰えるようになった2018年。
ただし投資をはじめる人にとって、この1年は辛い思いを抱える年になったように思います。
・複利で5%で運用すれば20年後には○○円
・自分だけではなくてお金にも働いて貰おう
そんな言葉を受けて踏み出した積立投資。
それが初っ端からマイナスになると「聞いてた話と違うんだが?」ってなるわけで。
実際に僕のブログにもこんなメールが来たりしました。
重い腰を上げて夫婦ではじめたつみたてNISAですが含み損ばかりで口座を見るのが辛くなってきました。
分散?したつもりが全部マイナス。
旦那にやめようかとも言われます。
周りを見ると投資歴が長い人が多く、含み益が十分にあって羨ましい。自分だけが割りを食っているような感覚になることがあります。
うん…。マジで分かります。
特に含み損の話をしたら、聞いてもないのに含み益自慢が飛んできたところとか。笑
・損失をこれ以上抱えたくない
・もう積立を続けたくない
多くの人からいろんな辛い意見をもらいました。ただ、どこかで投資を諦めたくない気持ちが見えたりも。
あくまで自分の考えではありますが、投資信託やETFの含み損の乗り切り方について書いていきます。
参考になれば幸いです。
1年単位のマイナスはよくある
まずはここから。
あくまで過去から見た話とはなりますが、リーマンショックのような金融危機がなくても、1つの資産クラスが年に10%くらいのマイナスになることは頻繁に起きています。
だから自分の場合、今年はたまたまそういう年だったと考えます。仕方ないです。終わってみないと分からないから。
投資にきれいな右肩上がりなんてないんですよね。
だからこそ日本人の投資人口は少ないわけで。でもしばらくするとちゃんと株式指数は元の数字以上に戻っていることもわかります。
よく「年○○円の積立で複利○○%で○○円」とかいう机上の空論を聞きますが相場は算数のようにずっと毎年あがってくれるわけではありません。
マイナスの年もあればそれをカバーする年もある。後になって平均年利○○%だったねという話をするだけ。
それじゃあもう今年はついてないで諦めます。
毎年相場の終わりを告げる人はいる
しかしこうやって前を向こうとすると、よくわからない敵が現れます。それが「今後は今までのようにいかないマン」の存在です。
相場が好調な時には何にも言わないのに、不調になると途端に出てくるんですね。こういう人間は。
ただし僕はある事に最近気づきました。この人達も結局今年負けてんだなと。結局逆張り発言をする投資家って自分の今年の投資成績を公開していないんですよね。
1年間「売り」で入ってるなら1人くらいはそういう人がいてもいいのに全くいない。
後出しポジショントークをしているだけ。
そして今思うと、どれだけ相場が好調な時でもそれに警鐘を鳴らす人っているんです。
例えばずっと右肩上がりだった2017年。
ですが年初の時から「今年の相場は期待できない」という人は多くいました。→結果20%上昇へ。
結局のところ未来はどうなるか分からない。
2018年の10月また11月にかけての株価調整についても金利上昇を問題にあげる方は多いですが、そもそも夏から金利は3%近かったわけで。
それが0.2%上がったことが株価を10%押し下げるわけがない。つまるところ結果論。
だからあまり気にする必要はないんです。そして誰かと投資成績を競う必要もないわけです。
資金が少額の時に含み損はラッキー
含み損は辛いです。
1,000円でも1万円でも金額に関わらず嫌なのは嫌。なぜお金を増やすことが目的なのに減価するのかと。
ただよくよく考えてみると自分が投資を始めるときに設定したゴールは今のずっと先にあるわけで。
それを考えるとつみたて投資がまだ少額の時期に下落相場を味わうのはある意味ついてるようにも思います。
10%の下げでも
・50万円投資なら5万円の損失で済むけれど
・5000万円の投資なら500万の損失になるわけです。
そしてそれは含み益だろうが含み損だろうが失った金額に変わりはないです。
上にも書いたように相場には絶対どこかで調整の時期が来ます。だからこそ長期投資を見据えた場合早い段階での下落相場はありがたいというわけです。
信託報酬の安い商品に変えるチャンス
そして含み損は商品をより低コストのものへと切り替えができるチャンスです。
インデックス投資はあくまで対象の指数に乗っかる投資法です。商品ではなく指数に対して○○円を投資という考え方をするなら
・含み益の時の乗り換えは税金が発生しますが
・含み損の時は税金を払うことなくそのままコストの低い商品に変えられます。指数に投資をした金額は元本としても目減りしません。
iDeCoやつみたてNISAはいい見直しに
また20年また30年といった長期投資になる「つみたてNISA」や「iDeCo」で含み損を味わうことはすごく自分にとって良い経験になりました。
なぜなら人は含み損になって改めて長期投資についてを考えるから。
自分の損失の許容度合も身にもって分かります。債券またバランスファンドを持つ意味も。
上昇相場の時は欲によるフィルターがかかってしまうので客観的な判断がしにくくなるんですよね。
アクティブファンドを見直すきっかけに
例えば人気アクティブファンドひふみ。
1年前まではその「守りながら増やす」というコンセプトと圧倒的なリターン実績から長期の資産形成先として人気のあるファンドでした。
しかし2018年になってパフォーマンスが悪化すると誰も「ひふみで長期投資」なんていう言葉を言う人はいなくなりました。
魔法はとけたんです。
あくまでひふみが悪いファンドというわけではありません。
ただし機械的に株式指数に乗っかるインデックスファンドとは異なり、アクティブファンドは運営者がしくじれば修正不可能なところまでいってしまう。
平均を取り続ける指数とは違う怖さがあります。
長期投資をアクティブファンドで行うことの怖さが下落相場によってはじめて明確に見えたわけです。
実際に自分の場合も
・全世界株式インデックスの含み損は、いつかプラ転するだろうという気持ちはありますが
・ひふみの含み損は、個別株投資をミスした時のような喪失感があります
長期投資の判断をつみたてNISA元年で明らかにできたわけですから、今回の下落相場は非常に意味があったとも思えます。
自分の場合は特にのりかえは考えていませんが、iDeCoで投資をした人は違う商品にスイッチングをしたりNISAの場合はスパッと売ってしまうのも1つの手だと考えます。
正直なところ周りをみると安心する
そして最後にとっておきを紹介します。
それは周りをみることです。
インデックス投資はあくまで平均点をとる投資法。ただしその平均がマイナスになっている時、個別株投資家はそれ以上に大きな損失を抱えるケースが本当に多い。
下落相場でも上がる株はあるので、個別投資家はそれを保有しているのかと考えていたんですが、大抵の場合そうはなってないんですよね。
むしろ個別投資家が好んで買っていた人気銘柄がナイアガラの滝のごとく落ちています。
Twitter、ブログなどあらゆるところでその空気は伝わります。
口にこそ出さないですが「個別株投資やってなくて良かったあ…」と安堵すると共に自分の含み損に対して少し冷静な気持ちになれます。
こんな時こそ平常心で
投資信託やETFで含み損を抱えた時にどう向き合うかについて書いてみました。
含み損って辛いですよね。実際に自分も「あの時に利確しとけば良かった」「このまま積立をしても報われるのか?」といったことを考える事があります。
もちろん投資をやめることも自由です。相場を見ないでいい幸せってのもあると自分は考えているので。
ただし損失を取り替えそうと自分の知らない投資に手を出すことだけは気をつけてください。
投資で大きな損失を負う人は大抵がそういった感情による投資で大きな深手を背負います。
また、うまくいっている人の投資を真似ようとしても投資の時間軸は真似できない事に気をつけてください。
・1年前に買っていればまだ大儲け
・でも半年前に買っていたらひどい含み損
そういった銘柄なんて幾つでもあるわけで。特に最近は1日でのボラリティーが高まっているので益々この傾向は強まります。
長い雨もいつか晴れ間が広がります。
株式指標はその繰り返しで結局はプラスリターンになってきました。それなら信じて後はもうほったらかすだけ。
だからこそトレンドにも乗らずに淡々と。
この記事を読んだ人がいつか近い未来に「あの頃は辛かった」なんて話を笑ってできたら良いなって思います。