2017年は上がり続けた株式市場。
日本の中小株、またアメリカ株が大きく注目を浴びた中で圧倒的な成長をした資産クラスがある。
それが新興国株式だ。
先進国の株価に割高さが叫ばれるほど、その注目度は更に増す。今後多くのカネが集まりそう。
でもあまのじゃくな自分。
新興国に資金が流入していく中、そこにお金を入れるのはもう遅いような気がしている。むしろ今から資金が入ってくる市場を狙うべきでは?
そう考えた時1番に思いついたのがフロンティア
先進国⇒新興国。と来ていたら次はここでしょ!
フロンティア株式市場について調べてまた実際の投資を考えてみることにした。
フロンティア市場って何?
(MSCIフロンティア指数構成国 2017年12月末)
ある程度経済は成熟している。ただし規模が新興国に比べて今は小さく、流動性も低い市場。今後新興国の仲間入りをする可能性もある。
それがフロンティア市場の特徴だ。
もちろんリスクは高い。ただしその分魅力にあふれる。
・新興国よりも安い労働力にあふれていて、今後の人口ボーナスにも期待ができる
・新興国また先進国株式とは異なる値動きによる分散投資効果への期待
豊富な資源へも期待できる。
新興国株式も同じだが、ボラリティの高さゆえどうしても短期的な利益を期待してしまいがちな市場。しかし実際には、10年また20年。そういった長い展望での理解が必要ということにもなりそうだ。
ベンチマークにはMSCIフロンティアマーケット100インデックスがあった
・MSCIエマージングマーケットインデックス
・MSCIコクサイ・インデックス
数多くのインデックスファンドで採用される指数を算出しているMSCI社から『MSCIフロンティアマーケット100インデックス』が公表されている。
MSCI新興国株式指数の下に位置するMSCIフロンティア株式指数。そこから流動性や時価総額などを基準に選出された上位100銘柄。そこから構成された指標となる。
地域としてはヨーロッパ、アフリカ、アジア、中東、南米から。国数としてはアフリカが一番多くなるが国別で1番比率が高いのは南米のアルゼンチン。
アルゼンチンといえば2001年に債務不履行(デフォルト)になり、国際市場から締め出された過去がある。
それからここまで国力をつけてきたというわけだ。
気になるのは金融関係の比率の高さ
先進国市場、新興国市場と比べて気になるのは業種比率。特に金融関係の比率の高さ。4割を超えている。ただし3年前には50%を超えているので、徐々にその割合が下がって来ている。
しかし新興国や先進国に比べると依然高い。
(iシェアーズ新興国と先進国の業種比率)
先進国の金融比率は約18%、新興国の比率は約22%。別に低ければいいという訳ではない。
ただし怖いのはリーマンショックのような金融危機。一番に煽りをうけるのがこの業界であることだけは覚えておきたい。
フロンティア市場へのインデックス投資はETFで
iシェアーズシリーズからフロンティア市場を対象とするETF『iシェアーズ MSCI フロンティア 100ETF』が出ていた。
連動する指数:MSCIフロンティア・マーケット100インデックス
信託報酬:0.79%(税抜)
国内ETFのコードは1583、海外ETFはFM。
iシェアーズには他にも国内ETFシリーズがある。先進国株と新興国株を対象としたそれらの商品を用いてリターンの比較をしてみた。
対象としたのは
・iシェアーズ 先進国株ETF(1581)
・iシェアーズ エマージング株ETF(1582)
以上2つのファンドだ。
iシェアーズ 先進国株ETFのリターン(年率)
(1年)・・18.9%
(3年)・・7.0%
(5年)・・18.1%
iシェアーズ エマージング株ETFのリターン(年率)
(1年)・・32.7%
(3年)・・6.7%
(5年)・・10.1%
iシェアーズ フロンティア株ETFのリターン(年率)
(1年)・・29.6%
(3年)・・3.2%
(5年)・・14.8%
いずれも2017年末時点。
フロンティア株の昨年度は新興国株式には及ばない成績。しかしそれでも3割近いリターンをあげている。やっぱり今後も期待ができそう。
しかし昨年12月に悲報があった。
iシェアーズETF10銘柄の上場廃止
(BLACKROCKお知らせより)
いくつかの国内ETFはその代替となる新商品が発売されたものの、悲しいかな。フロンティア株式での新商品は発表されず。
やはりまだニッチな市場。大きくお金は集まらないのだ。ただし海外ETFではまだ扱いがある。購入することが不可能なわけではない。
しかし結局のところ僕の場合は
・市場取引がしたくない。(仕事中値動き見たくない)
・1円単位での投資がしたい
そんな理由からどちらにせよETFは買う気にはなれない。ということで投資信託を探してみた。
投資信託ならアクティブファンドが2つある
フロンティアに対して投資をするインデックス投資信託は今のところ出ていない。代わりに2つのアクティブファンドが販売されてる。
・グローイング・フロンティア株式ファンド
・ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド
以上2つである。
その内容を見ていった。
グローイング・フロンティア株式ファンドは50か国以上が投資対象
(三井住友AM 目論見書より)
T.RowePrice社の運用する『ティー・ロウ・プライス・ファンズ SICAV-フロンティア・マーケッツ・エクイティ・ファンド(クラスS、米ドル建て)』というファンドへ投資をするファンド・オブ・ファンズ形式。
・投資対象の商品の信託報酬が0.95%
・ファンド自体の運用管理費用が1.0275%
合計して1.9775%(税抜)のコストが発生する経費率が非常に高いアクティブファンドだ。
また買付手数料も発生する。(楽天証券なら税抜1%)
特徴は投資対象の広さ+厳選投資。
MSCIフロンティアの構成国は30カ国ほど。しかしこのファンドの投資対象はもっと広い。サウジアラビアやイラクも対象で50を超える。
ただし実際の投資国は23カ国で保有銘柄も69銘柄。(2017年3月現在)
フロンティア国の中で、”持続的に高い利益成長が見込まれる企業の株式”へ厳選した投資を行うことを目的としているからだ。
また2017年6月からの投資信託。
なのでまだ1年のリターンも分からない。
(参考:6か月での年率リターン)・・36.26%
ハーベスト アジア フロンティア株式ファンドはアジア5ヵ国へ投資する
(ハーベストアジアフロンティア株式 目論見書より)
Harvest Global Investments Limited社の運用する『ハーベスト・アジア フロンティア エクイティファンドクラスJ』というファンドへ投資をするファンド・オブ・ファンズ形式。
・投資対象の商品の信託報酬が0.65%
・ファンド自体の運用管理費用が1.34%
合計して1.99%(税抜)のコストが発生する。税込では年間2.0972%となりまた解約時にかかる信託財産留保額も0.3%発生する。
ただし買付手数料は無料で買える。(楽天証券)
特徴はアジア5ヵ国への投資であること。
カザフスタン、モンゴル、スリランカ、バングラデシュ、ベトナム。ただし中国西部のフロンティア地域の株式にも投資を行う。
・今後の労働力の拡大への期待
・豊富にある資源と地理条件の優位さ
それらを背景として復調状態のアジア株式市場。GDP成長率は高くはないがそれもまた未発展部分として上昇の余地があるとも言えそうだ。
設定日は2011年10月28日
リターン(年率)は以下の通り
(1年)・・35.05%
(3年)・・8.48%
(5年)・・12.59%
またこの投資信託。確かにコストは高いがSBI証券のiDeCoにもラインナップがされている。アクティブファンドの中では数少ない、”確かな実績を認められた優秀な投資信託”であるともいえるのだ。
まとめ
フロンティア株式市場へ投資をしたいなら
インデックス投資ならば海外ETF
・iシェアーズ MSCI フロンティア100ETF(FM)
で投資をすることができる。
信託報酬は0.79%(税抜)とフロンティアへの投資としては割安。ただし海外ETFなので売買手数料や為替手数料負けをしないよう、ある程度まとまった金額を投資する必要がある。
アクティブであれば投資信託が2つある
・グローイング・フロンティア株式ファンド
ティー・ロウ・プライス社の運用するファンドへ投資をするファンド・オブ・ファンズ形式。
実質的な手数料の負担は年1.9775%(税抜)発生する。また購入時にも手数料が発生。(楽天証券で1億円未満の買い付けなら税込1.08%)
設定日は2017年6月12日と日が浅いこともポイントだ。
・ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド
このファンドもファンド・オブ・ファンズ形式。
実質的な手数料の負担は年1.99%(税抜)発生する。買付手数料は楽天証券の場合はなし。しかし解約時に信託財産留保額は発生する(0.3%)
カザフスタン、モンゴル、スリランカ、バングラデシュ、ベトナム。労働世代の比率が高く人口ボーナスの期待できる5カ国へと投資する。
どちらにせよ低コストとはいえない経費。
投資するのには勇気が必要。
ただし今は楽天ポイントでも投資ができる時代。
いつもの投資のエッセンスとして僕は"ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド"へと投資をしていくつもりです。