「優待クロス」を知っていますか?
最近では多くの企業が株主に自社製品や自社店舗の割引券、ギフトカードなどさまざまなものを特典として送付する「株主優待」という制度を導入しています。
この株主優待を信用取引を利用して株価下落リスク無くゲットする方法が優待クロスです。株主優待を入手するには、株主優待の権利が確定する日に株式を保有していなければなりません。
せっかく株主優待を手に入れても、それ以上に株価が下落すれば結局損をしてしまいます。そういったことを防ぎ株価下落のリスクを無くして株主優待を手に入れる方法が優待クロスです。
株主優待の権利が確定する日までに現物株を購入し、同時に信用取引で売ることでその後株価が下落しても損失をカバーすることができます。
優待クロスを行う際には証券会社選びが重要です。この記事では優待クロスをするのにお勧めの証券会社をランキングして紹介します。優待クロスに興味のある方はぜひ参考にしてください。
優待クロスに向いている証券会社を選ぶポイント
優待クロスをする際に証券会社を選ぶポイントは3つです。
①一般信用取引が可能で取引できる銘柄が多いこと
②信用取引の金利が安いこと
③株式売買手数料が安いこと
①一般信用取引が可能で取引できる銘柄が多いこと
優待クロスで注意すべきなのが逆日歩(ぎゃくひぶ)です。信用取引で株が大量に売られた際に、証券会社が貸し出す株が不足することがあります。
この時証券会社が外部から株を調達する際にかかる金利が逆日歩であり、その費用は信用取引で売っている投資家が負担します。
特に魅力的な株主優待を実施している企業は優待クロス取引が活発に行われますので、高額の逆日歩が発生することが珍しくありません。株主優待より高額の逆日歩を払うことになれば目も当てられません。
そこでお勧めするのが一般信用取引です。
信用取引には制度信用取引と一般信用取引の2種類があり、逆日歩は制度信用取引のみ発生しますので一般信用取引を利用すれば逆日歩が発生することはありません。
ただし、一般信用取引は制度信用取引に比べて取引可能で証券会社が少ないので、優待クロスを行う際には一般信用取引ができるのか、また取引可能な銘柄は豊富にあるかということが証券会社選びのポイントになります。
②信用取引の金利が低いこと
信用取引で保有している株には毎日金利が発生します。優待クロスでは信用取引で売りを行う(売建)ことが必要です。この売建を行った場合には、保有している限り日々貸株料という金利が発生します。
金利の計算は
約定代金×貸株金利÷365日×保有日数
となります。
例えば100万円分の売り銘柄を10日間保有した場合、金利が3%だと貸株料は1,000,000×0.03÷365×10=821円(小数点以下切り捨て)です。
売建金額が多額の場合や、保有期間が長い場合は貸株料が高額になることもあります。優待クロスをするにあたって当然コストは安い方が良いので信用売りの金利コストが低い証券会社を選びましょう。
③株式売買手数料が安いこと
株式売買手数料は注文が約定する際に発生する費用のことで、通常取引金額に応じた手数料が徴収されます。
優待クロスは現物と信用という2種類の取引を行いますので、通常の取引に比べて取引回数が2倍になりその分株式売買手数料も増えます。
ですので、株式売買手数料の安い証券会社を選ぶことが優待クロス行うには重要です。
優待クロスにオススメの証券会社ランキング
前述の優待クロスに重要な3つのポイントを踏まえオススメの証券会社をランキングにしました。早速1位から紹介していきます。
1位 SMBC日興証券
優待クロスにオススメの証券会社第1位はSMBC日興証券です。SMBC日興証券は2019年3月から一般信用取引の売建サービスを開始しました。
株主優待制度がメディアに取り扱われることが増え、優待クロスが活発になっているところに大手証券会社が満を持して算入してきただけあって、サービスの良さが際立っています。
一般信用取引売建の取扱銘柄数は業界トップクラスの約2,000銘柄で、そもそも一般信用取引売建を取扱していない証券会社も多い中2,000銘柄という豊富な銘柄を取引することが可能です。
そして、信用取引の売買手数料はダイレクトコースなら無料です。取引金額や保有資産などの条件無しで手数料が無料ですので、優待クロスだけでなく様々な取引で活用できます。
優待クロスにかかるもう一つのコスト、一般信用取引売建の貸株金利も1.4%と業界最低水準となっており、優待クロスを行うならSMBC日興証券は外せない証券会社です。
SMBC日興証券のポイント
- 信用取引売買手数料が無料
- 貸株金利1.4%と業界トップの低さ
2位カブドットコム証券
優待クロスにオススメの証券会社第2位はカブドットコム証券です。カブドットコム証券は以前から一般信用取引売建が可能で優待クロスを行っている投資家にはよく利用されている証券会社です。
売買手数料は信用取引10万円まで90円、20万まで135円、50万円まで180円(いづれも税抜)といった手数料体系で、業界トップとはいきませんが十分安い水準となっています。
更に、保有している建玉の残高に応じて手数料が優遇されますので高額の取引を行う方にとってはメリットです。
カブドットコム証券の一般信用取引は長期(最長10年)と売短(最長13日間)売建という2種類があり、貸株金利は長期が1.5%、短期が3.9%となっています。
長期と売短で取扱銘柄が異なりますが、できるだけ長期を利用することでコストを抑えることが可能です。
カブドットコム証券の般信用取引売建の取扱銘柄数は約2,000と業界トップクラスの水準であり、取扱銘柄数ではSMBC日興証券と同規模となっています。
カブドットコム証券のポイント
- 2種類の一般信用取引を利用した豊富な取扱銘柄(取扱銘柄数は約2,000)
- 長期の貸株金利は1.5%と業界トップクラス
3位楽天証券
優待クロスにオススメの証券会社第3位は楽天証券です。
楽天証券の魅力はなんといっても一般信用取引売建の取扱銘柄数の多さです。その株は約3,500と業界トップとなっています。優待クロスを行うのであれば楽天証券は欠かせません。
信用取引売買手数料は、50万円まではカブドットコム証券と同様の手数料体系ですが、50万円を超えるとそれ以上は350円(税抜)で固定されるので、高額の取引をする際には大きなメリットがあります。
一般信用取引はカブドットコム証券と同様、短期・長期の2種類がありそれぞれの貸株金利は長期2%、短期3.9%です。長期の貸株金利が上位証券会社に比べて少し高い水準になっています。
楽天証券のポイント
- 一般信用取引売建の取扱銘柄数は業界トップの約3,500
- 信用取引売買手数料が50万円以上は一律350円
4位SBI証券
優待クロスにオススメの証券会社第4位はネット証券口座開設数トップのSBI証券です。
一般信用取引売建の取扱銘柄数は約2,000とSMBC日興証券、カブドットコム証券と同程度の規模となっています。
信用取引の売買手数料は楽天証券と全く同じで、ネット証券大手同士が熾烈なコスト競争をしていることがうかがえます。更に一般信用取引の貸株金利も楽天証券と全く同じで、正にライバルといえる存在です。
SBI証券のポイント
- 一般信用取引の貸株金利は長期2%、短期3.9%
- 信用取引売買手数料が50万円以上は一律350円
まとめ
優待クロスができるオススメの証券会社について紹介しました。紹介した証券会社はどれも優待クロスを行うなら口座開設必須の証券会社です。
一般信用取引の売建は証券会社が在庫を保有している株数しか行えません。よって、在庫切れの可能性がありますので、特に人気の株主優待を狙う際には複数の証券会社で優待クロスに挑戦することが必須です。
同じ株主優待を狙うなら当然コストが低い方が良いですよね。今回のランキングは、コストが低いことと取扱銘柄が豊富であることを重要視していますので、優待クロスには欠かせない証券会社ばかりです。
もちろん、紹介した証券会社以外にも優待クロスが可能な証券会社はありますが、取扱銘柄数が数百銘柄以下という規模の会社はほとんどであり、幅広く優待クロスを狙うのであれば今回紹介した4社をお勧めします。
ぜひこの記事を参考にしていただき、お得な株主優待を優待クロスにより低コストでゲットしてください!