「株主優待をまだしたことがない」「やり方がわからなくて不安」「損するんじゃないの?」という方に向けて株主優待クロス取引のやり方を説明します。
今回は楽天証券を使って、一般信用でのクロス取引の流れです。一般信用でクロス取引を行うと、ノーリスクで優待の権利を手に入れることができます。
銘柄を選ぶ
先ほど書いたように、一般信用でクロス取引を行うと、ノーリスクで優待の権利を手に入れることができます。しかし、売買による手数料や、信用取引による貸株料は発生します。
銘柄を選ぶ際は、以下の点に気を付けて探しましょう。
- (株主優待)-(売買手数料+貸株料)がプラスになる
- (優待の価値)÷(株価)が高い(優待利回り)
記事を書いているのが5月なので、今回は5月に優待の権利をとれる銘柄を選んでいきますが、実は5月はあまり優待利回りの良い銘柄が多くありません。今回は優待利回りはあまりよくありませんが、人気の銘柄である「コスモス薬品(3349)」の優待をねらいにいきます。
- 銘柄:コスモス薬品(3349)
- 取得に必要な金額:177万円
- 優待内容:5000円相当の買い物優待券
- 利回り:約0.3%
では、銘柄を選んだら、いよいよクロス取引で権利を取りに行きましょう。
カレンダーを見て作戦を立てる
28日が権利付最終日で、この日に株式を保有していると優待の権利を得ることができます。翌日の29日が権利落ち日で、この日に株式を売却します。
優待の権利を得るためには、28日(権利付最終日)の取引終了までにクロス取引(信用売建と現物株式の取得)を行う必要があります。
売建をしている期間中は1日ごとに貸株料を払わないといけませんので、できる限り28日に近い日でクロスをする方がベターです。最もコストを抑えるためには、28日にクロスを行うのがベストです。しかし、一般信売建玉の在庫には限りがあり、権利付最終日にはほぼ残っていません。
最もコストがかかるのが、短期の一般信用売建が開始される17日にクロスを行うことです。最も長い期間売建玉を保有しなければならないからです。1日あたり約190円の貸株料が発生します。
売建玉の在庫とコストを常に考えながら、いつクロス取引をするかを考えることが大切です。
楽天証券の場合、一般信用売建玉の在庫が多くないので、月によっては短期のクロス取引開始の瞬間に一瞬で在庫がなくなってしまうことがあります。
実は今回も、一般信用短期売建が開始される5月16日の19時に一瞬にして在庫がなくなりました。まさに争奪戦です。一瞬のクリック勝負です。
クロス取引開始
クロス取引に関して、ここで注意点があります。
大切なポイント① 必ず取引時間外に行うこと
クロス取引(信用売りと現物買い)の注文は、必ず取引時間外に行いましょう。
取引時間内に行うと、2つの注文を同時にすることができないので、その間の値動きによっては損をすることがあります。
クロス取引は信用売りと現物買いを株価で行うことでノーリスクになっているので、この点は注意が必要です。
①一般信用(短期)売り注文をする
まずは、在庫に制限があり、早い者勝ちの一般信用(短期)売建を手に入れにいきます。
楽天証券のホーム画面から「国内株式」をクリックし、検索します。
信用新規をクリックし、信用取引注文画面に進みます。
一般信用短期売建を注文する
①売建にチェック
※ここで、売建可能数量が0になっていたら在庫切れです。
②一般(14日)にチェック
③数量に100を入力
④価格を成行で執行するにチェック
⑤暗証番号を入力し、注文を内容を確認
⑥注文
ここでも注意点があります。
大切なポイント② 必ず一般信用で行うこと
売建の中には「制度信用(6ヶ月)」というものもありますが、こちらは逆日歩がついて思わぬ損失を被る可能性があるので、必ず「一般信用」で行いましょう。
人気のある優待銘柄ほど、逆日歩がつく可能性が高いです。「一般信用」には逆日歩がつかないので、注文ミスをしない限りノーリスクで優待を手に入れることができます。
注文を確認する
注文に間違いがないか確認しましょう。万が一間違って注文していても、取引時間外に訂正注文や注文取消しを行えば損することはありません。
これで信用売はOKです。
②現物株の買い注文をする
続いて現物買いです。現物株には在庫はないので、落ち着いて購入できます。
楽天証券のホーム画面から「国内株式」をクリックし、検索します。
現物買いをクリックし、現物株の買い注文画面に進みます。
現物株の注文をする
①数量に100を入力
②価格を成行で執行するにチェック
③暗証番号を入力し、注文を内容を確認
④注文
大切なポイント③ 数量は信用売りと現物買いで同じ量にすること
くどいようですが、クロス取引は信用売りと現物買いを同じ数量だけ同じ価格で行うことでノーリスクにしています。
注文ミスをしてしまうと損失につながるので(場合によっては得することもありますが…)、注意しましょう。
注文を確認する
これで現物買いはOKです。
これでクロス取引の注文は完了したので、あとは権利付最終日(28日)の夜まで何もせずに過ごします。
③現渡注文
28日がやってきました。28日の取引時間が終了すれば優待の権利は手に入っていますので、売却に進んで大丈夫なのですが、最もコストのかからない現渡という方法を行うためには、17:15まで待たないといけません。
28日の17:15以降でしたらいつ現渡注文をしても大丈夫です。
では現渡注文をしてみましょう。
ホーム→口座管理→資産残高・保有商品→信用建玉一覧
ここで、「現渡」をクリックします。
①特定にチェック
②全現渡にチェック→自動的に数量に数字が入ります
③確認をクリック
確認して、良ければ注文をしましょう。
これで翌日、約定されればクロス取引は終了です。
優待が届くまで3カ月ほどなので、来月の優待を狙いながら待ちましょう♪
損益の計算
最後に今回のクロス取引での損益を計算してみましょう。
取得にかかるコスト
- 現物株取得手数料:994円(税込)
- 信用取引手数料:378円(税込)
- 貸株料:2648円(1770000×3.9%÷365日×日数)
- コスト合計:4020円
純利益:5000-4020=980円
980…地味ですよね…。
しかし、スマホやパソコンでクリックするだけで、しかもノーリスクで980円が手に入ると考えたらお得だと思いませんか?
また、株主優待は5月だけでなく毎月ありますし、月によってはお得な銘柄がたくさんある月もありますので、毎月毎月コツコツと続けていくことで大きな利益を得ることができます。
終わりに
株主優待はノーリスクローリターンの投資です。ポチポチとクリックするだけでリスクなく不労所得が得られるわけですから資産が何倍にもなるような爆発力はありません。
しかし、少ないリターンをコツコツを手に入れることで長期で見れば大きな資産を手に入れることができます。1年で10万円分の優待を手に入れられれば、10年間で100万円になります。塵も積もれば山となるの精神が大切です。
最後に…基本的にはノーリスクの優待クロス取引ですが、注文ミスや優待停止などにより損失を被ることもあるかもしれません。投資は自己責任でもとに行っていただきますようお願いします。