(非課税投資制度の簡単比較)
ジュニアNISAとは子供の為の非課税投資制度です。
年間累積購入代金80万円までの投資で得た利益や配当金・分配金にかかる税金が5年の間0%(非課税)になります。
その後もロールオーバーが可能です。
ただし原則として子供が18歳である年の前年の12月末(高校3年生の12月末)までは払い出しができません。
途中で払い出しをする場合は過去の利益に対しても課税がされます。証券会社の変更もできず、1度解約をする必要があります。
今や16万人を超えた口座数。
1人1つしかもてないジュニアNISA口座。一体どれを選べば間違いがいないのか。
ジュニアNISAという観点で見た、楽天・SBI・マネックス証券を徹底的に比較しました。
今はどれが1番なの?
SBI証券!でも投資信託だけなら楽天も
- 三大証券の一覧比較
- ジュニアNISAの特典で比較
- ジュニアNISAで買える商品で比較
- 投資信託の取り扱い本数での比較
- 投資信託積立タイミングの比較
- ポイント面の比較
- 使いやすさの比較
- 更に細かい点を比較
- まとめ 投信の楽天 海外ETFのSBI
三大証券の一覧比較
まずはじめに3大証券会社の比較を一覧にしてみました。
最も規模が大きいのはSBI証券です。
そして総合的にも3社を比べて最もジュニアNISAの口座としてSBI証券の満足度が高いといえそうです。
・IPOの取り扱い本数が多い
・ジュニアNISAで海外株式に投資ができる
・投資信託の積立が自由でポイントもある
以上がその主な理由です。
やはり海外ETFへの投資がジュニアNISAでできる+買付手数料が無料という点がSBI証券の1番のポイントです。
長期投資となる口座だからこそ「VOO」や「VT」といった世界的に実績のある低コストファンドへの投資が輝きます。
ただし楽天証券には私たちにとって身近な楽天ポイントを資産運用にいかせる強みがあります。
楽天ポイントはSBIポイントとは違ってポイントが付与されるごとに期間が伸びるので失効の心配もありません。
またマネックス証券はジュニアNISAではポイント付与もなく口座特典にも目新しさがありませんが、特定口座での米国株の銘柄数の豊富さや注文方法には優位性があります。
それでは実際に口座を利用する上で重要なポイントをさらに詳しく比較をしていきます。
ジュニアNISAの特典で比較
ジュニアNISAの特典で比較をした場合、最も優位性があるのはSBI証券です。
SBI証券のみ国内株式に加えて海外ETFの買付手数料が0円になるメリットもあるからです。
・SBI証券は国内株式売買手数料無料、海外ETFの買付手数料無料
・楽天証券は国内株式売買手数料無料
・マネックス証券は国内株式売買手数料無料
国内株式の売買手数料無料メリットでいうなら松井証券やカブドットコム証券も対応をしていますが、海外ETFの買付手数料無料メリットがあるのはSBI証券だけ。
ただし注意点。(引き出しは18歳になってから。運用は可能)
NISA口座はあくまで日本での税金が非課税となる制度ですので、分配金に対してかかる米国での10%の税金は免除とはなりません。
また国内株式の場合もジュニアNISA口座内の上場株式等の配当を非課税で受取るためには、「株式数比例配分方式」を選択している必要なことも注意をしてください。
(口座開設後に変更も可能です)
ジュニアNISAで買える商品で比較
次にジュニアNISAで買える商品を比較します。
・SBI証券は国内株式・投資信託・海外株式
・楽天証券は国内株式・投資信託
・マネックス証券は国内株式・投資信託
海外株式(ETF)をジュニアNISAで購入できる証券会社はSBI証券のみとなります。
ということもあり、米国株に投資をしたいならSBI証券一択となってしまいます。
最近は人気になってきた米国株や海外ETFですが、まだまだジュニアNISAでの投資を望む声は少ないからでしょうか。
今後の対応が望まれます。
投資信託の取り扱い本数での比較
・SBI証券の投資信託の本数は2,580本
・楽天証券の投資信託の本数は2,670本
・マネックス証券の投資信託の本数は1,141本
(2019年1月時点)
SBI証券と楽天証券がほぼ同数の商品数となっています。
マネックス証券はそれに比べて商品数は半数近いです。ただしだからといって劣っているというわけではありません。
「ニッセイ」「eMAXISSlim」シリーズなどをはじめとする低コストインデックスファンドから「ジェイリバイブ」や「ひふみ」などのアクティブファンドまで主要な投資信託はどちらも全てラインナップがされています。
また、意外と誤解しがちなのは楽天投信投資顧問の投資信託シリーズ。
・VT(全世界)へと投資をする楽天・全世界株式
・VTI(全米)へと投資をする楽天・全米株式
これらの人気ファンドももちろんSBI証券、マネックス証券で同じ条件で購入することは可能です。
投資信託積立タイミングの比較
(SBI証券の積立タイミングは非常に自由)
次に投資信託の積立方式ですがSBI証券が圧倒的に自由が利いて便利です。
・SBI証券は毎日・毎週・毎月などの設定で100円からの幅広い積立をすることができます
・楽天証券はジュニアNISA口座では毎月積立のみとなります。
・マネックス証券もジュニアNISA口座では毎月積立のみとなります。
マネックス証券は特定口座では「ウェブかんたん銀行つみたて」を利用して積み立て日を1つずつ設定すれば毎日積立が実質的には可能でしたがジュニアNISAではできません。
楽天証券も「つみたてNISA」での毎日積立は可能ですがジュニアNISA口座では毎月積立のみとなります。
統計的には毎日積立でも毎月積立でも長期間でのパフォーマンスに大きな違いは表れないというデータはあります。
しかしそうであっても毎日積立をすることでの心労負担軽減。それは投資を始めると身に染みて実感します。
1日で数%落ちるとか普通にあるしな
AI投資が盛んだから特に最近は多いね
ポイント面の比較
SBIと楽天は投資信託を軸にポイントサービスを行っていますがマネックス証券はジュニアNISA口座でのポイント付与はしていません。
ポイント付与率が1番高いのはSBI証券ですが、使いやすさと付与の条件に関しては楽天証券が優れています。
・SBI証券は投信マイレージサービス
・楽天証券は楽天銀行との連携によるポイント+投信保有による「投資信託資産形成ポイント」と「楽天銀行連携でのハッピープログラム」
それぞれの内容を比較します。
SBI証券の投信マイレージサービス
投信マイレージサービスとは投資信託の月間保有残高に応じて毎月ポイントが貯まるサービスです。
SBIポイントが貯まります。
ポイント付与率は1,000万未満の場合0.1%で、1,000万以上の場合は0.2%となります。ただし一部の低コストファンドに関しては0.05%または0.03%となります。
低コストファンドとは具体的にeMAXIS Slim(先進国は0.03%)、たわら、iFreeシリーズが0.05%に、また楽天シリーズのファンドは0.03%となります。
またSBIポイントの使い道は
・現金にする場合は1ポイント0.85円
・Tポイントやnanacoポイントへは等価
での交換をすることができます。
ただし現金にする場合は最低でも1,000P。Tポイントやnanacoポイントも最低500ポイントからの交換です。
1年目のポイントは4年目に失効するので注意が必要です。
楽天証券は保有ポイント(2種から選択)+買付ポイント
楽天証券はまず投資信託の買付時に引き落とし先の口座を楽天銀行にすることで1件の買付で最大3ポイントを貰うことができます。
楽天カードを利用することで買付金額×1%のポイントが貯まるサービスもありますが子供はカードを持てないのでメリットとはなりません。
また楽天証券の投信保有でのポイントサービスは「投資信託資産形成ポイント」と「楽天銀行連携でのハッピープログラム」どちらかの選択になります。
投資信託資産形成ポイントは投資信託を月初次点で50万円以上保有していることで金額に応じたポイントがもらえます。
付与の条件はこの通りです。
(投資信託資産形成ポイントの一覧)
計算をしてみるとポイント付与率は最大で0.12%。ただし残高が増えていくと還元率が低くなることが分かります。
1,000万で500ポイント(0.06%)となり、2,000万円以上の場合はどれだけ残高が多くても毎月1,000ポイント一律となります。
ハッピープログラムは投資信託の残高10万円ごとに毎月4ポイントが貰えるキャンペーンです。
年間ポイント付与率でいえば0.048%となります。こちらはポイントの上限はありません。
資産形成ポイントとハッピープログラムどっちがいいの?
2,500万までは資産形成ポイント!
また付与される楽天ポイントについては皆さんも知っている通り、楽天市場や楽天モバイルの支払など汎用性が広いですが2017年より投資信託の購入もすることもできるようになりました。
ただしジュニアNISA口座は対象外なので気をつけてください。
SPUも+1倍となります。
ポイントで考えるなら楽天証券
(SBIポイントは失効にも注意)
ポイント面で考えるのであれば楽天証券はSBI証券やマネックス証券に比べて圧倒的にサービス内容が優れています。
楽天銀行との連携によるポイント付与。
また投資信託保有残高でのポイント付与率は0.048%と他2社に比べて劣るようにも見えますが無条件で殆どの投資信託でもポイントが貯まることが特徴です。
そして楽天ポイントは期間の優位性もあります。
楽天ポイントの有効期限は1年ですが1度でもポイントを獲得すれば有効期限は延長されます。
投資信託を10万円以上保有すれば毎月ポイントが付与されるので失効する心配はないわけです。
SBI証券で得たSBIポイントは年ごとに2年間繰り越されますが、4年目になると1年目のポイントは失効します。
使いやすさの比較
SBI証券は比較また分析がしやすいインターフェースが特徴です
(SBI証券 eMAXISシリーズ比較)
・投資信託のパワーサーチでは商品の比較が5つまで可能
・米国株ではテーマごとに銘柄を検索できる。また最近トレンドの投資戦略もすぐに分かります
はじめはゴチャゴチャして見えるSBI証券の画面ですが慣れていくとそれを使いこなすのが日課のようになっていきます。
また株式の取引画面はシンプルで分かりやすいです。
ただし外国株をする際は、国内株や投信との円貨での一括管理ができない部分で楽天証券よりも使いにくさを感じます。
楽天証券は見やすい管理画面が特徴です。
(楽天証券 トップ画面)
楽天証券は円グラフまたは棒グラフなどによって自己資産やパフォーマンスの確認が一目で分かります。
外国株式も円換算ですぐにトップ画面で分かるのが管理しやすくてイイですね。
マネックス証券は銘柄分析が分かりやすいです
(マネックス証券のJTスコア分析)
マネックス証券に口座開設をすると株式銘柄の「IFISスコア」をそれぞれ見ることができます。
・企業の成長性や割安性
・テクニカルでの優位性や財務健全性
株価を左右する数字をすぐに業界の平均値と比較ができて便利です。
企業の業績に関する情報がリアルタイムで分かる「マネックス銘柄スカウター」も自分は口座を作ってからよく見るようになりました。
ただし実際の管理運用面においてどうしてもマネックス証券は使いにくさを感じることは事実です。
改善されてきているとはいえ、慣れるまで売買画面にたどり着くのも時間がかかってしまうので今後に改善を期待したいです。
更に細かい点を比較
海外ETFのSBI、投資信託はポイント優位の楽天証券
いろいろいったけれどそれでOK
SBI、楽天、マネックス証券。3大証券で他にも比較して気になる点を紹介していきます。
IPO投資はSBI証券
ジュニアNISA口座でのIPO投資はSBI証券とマネックス証券は対応していますが、楽天証券は対応をしていません。
SBI証券が最も取り扱い銘柄が充実しています。
またSBI証券のIPO投資は抽選にはずれても「IPOチャレンジポイント」が手に入るのでそれを貯めることによりいつかお宝IPOに当選することが可能となります。
取扱いも多いのでポイントはどんどんたまっていきます。
マネックス証券のIPOの抽選方式は「完全公平抽選」となりSBI証券のように資金によって有利と不利はないメリットがあります。
ただし子供口座ということでそのメリットが活かしにくいことも事実です。
特定口座での株式手数料を比較
特定口座での国内株式と米国株式での手数料を比較しました。
国内株式の手数料はSBI証券と楽天証券が最も安く、それに比べてマネックス証券はややコストが高くなります。
米国株式の手数料は3社すべて同じです。
マネックス証券はサービスを大手2社に寄せてきていることもあり今後の手数料引き下げには期待ができます。
キャンペーンを比較
口座開くだけでお金もらえたりする?
楽天とSBI証券はあるよ
SBI証券はSBI証券口座開設をしてSBIハイブリッド預金へ50,000円以上預入れをすることで1,000円もらえるキャンペーンをしています。
ただし住信SBIネット銀行は15歳からの口座開設となるので注意してください。
楽天証券は楽天銀行と一緒に口座を開設してマネーブリッジ(無料)に登録することで誰でも1,000円もらえるキャンペーンをしています。
この場合は年齢制限はありません。
得られる情報を比較
SBI証券では四季報や企業に対するモーニングスター社の個別銘柄評価のレポートを見ることができます。株主優待検索も分かりやすくて便利です。
楽天証券はマーケットスピードというツールを使うことで日経新聞が無料で読むことができます。
楽天銀行との自動入出金設定が必要です(無料)
マネックス証券はスマホアプリ「マネックストレーダー」を利用することでアナリストの経済ニュースに対する今後の予報が確認できます。
また個人的にはロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」に刺激を受けることが多いです。
まとめ 投信の楽天 海外ETFのSBI
簡単に管理したいんだけど
それなら楽天証券の方が楽だね
3大証券会社をジュニアNISAという観点で比較しましたが、SBI証券と楽天証券はそれぞれに優位性がありました。
SBI証券と楽天証券の2択となりますが、投資信託で運用するなら楽天証券、IPOや海外株投資を考えるならSBI証券という考えが良さそうです。
それぞれの特徴をもう1度整理すると
SBI証券のジュニアNISAはこんな人に向いています。
ジュニアNISAでは海外ETFを購入したい
IPO投資で1番チャンスを獲得したい
どの投資をするかまだ決めきれない
こういった人であればSBI証券が最もあっていそうです。口座数も1番多く無難な選択となりそうです。
楽天証券のジュニアNISAはこんな人に向いています。
ジュニアNISAでは投資信託で資産形成したい
管理画面が楽で子供にも見せやすいのがいい
家族で楽天経済圏に染まっている
こういった人であれば楽天証券が向いていますね。
取引や損益画面の見易さが群を抜いて分かりやすいので子供へ投資を教えるなら絶対に開いておきたい証券会社です。
マネックス証券はこんな人に向いています。
現状利用している口座がマネックス証券
ジュニアNISA口座は国内株投資のみ
特定口座で米国株取引を本格的に
こういった人ならマネックス証券に未成年口座の開設をしてジュニアNISAを開くだけひらいておくのもいいかもしれません。
引き出しに制限のあるジュニアNISAは正直なところ使いにくいことは事実です。それならはじめから割り切って特定口座に取引を絞るのも賢い選択といえそうです。
ジュニアNISAで何を投資するのがいいのか
僕はSBI証券でジュニアNISAの口座を開設しました。これはもう即決です。しかし投資先にはすごく頭を悩ませました。
・単元で持つとお得な優待株
・JTやキヤノンといった高配当株
・最大限に非課税を活かすレバレッジETF
正解は無数にありそうです
ただし結局のところ全世界株式「VT」への投資をする予定です。
なぜなら2018年からはジュニアNISAのロールオーバー上限枠が撤廃されたから。
今投資をして5年後に投資元本がいくらになってもそのまま非課税メリットが続きます。
年利5%で運用ができれば、20年後に投資元本80万円は212万円と2.5倍以上に。これは過去の実績を見て全く難しい話ではありません。
複利がこれほど生きる環境はないわけです。
今後は税金や物価だけがどんどん上がっていく社会となりそうです。できるだけ子供の為に早いうちからお金を準備してあげたいです。