僕らが望む望まないは関係ない。年金は今後、受給額は目減りして、支給開始年齢は遅れていく。
超高齢社会の今、それについて僕らは受け入れと準備をしていく必要がある
具体的に言うならば
・厚生年金は今後月額10万円を切るようになり
・支給開始年齢は70歳に段階的になっていく
そんな未来が見えてきた。
そしてそんな準備のためだろうか。
国は国民に対して運用益の非課税、また税控除メリットのある投資を最近になってどんどん進めるようになってきている。
・全額掛金に対して所得控除のあるiDeCo
・2018年より始まるつみたてNISA
いずれも制限はあるものの制度としては普通に投資をするより税金面ではるかにお得。
使わないのはもったいない。
実際に私も楽天ポイントキャンペーンもある 楽天証券 でiDeCoに積立中
ただその中で僕は思う事が1つあった。
これらの投資をしていればたとえ年金が減ったとして、また退職金や貯蓄がなかったとしても老後の生活は保障されるのだろうか。
実際に計算してみないと分からない。
- 税メリットのある投資と保険で年金の代用となるのは?
- 税メリットのある投資と保険は老後の生活にどれだけ貢献するのか
- 将来の年金悪化を税メリットのある投資と保険のみでカバーする事は厳しい
- 検証してみて思ったこと。70歳までは働かないときつそう。
税メリットのある投資と保険で年金の代用となるのは?
まずは非課税、税控除メリットのある投資と保険についての整理をしてそれぞれの税メリットを確認していく。
・投資をしている間に受けることのできる節税
・運用益を受け取る際に享受できる節税
そのどちらか一方でも満たすことができれば税メリットがあるととらえる事にする。
掛金が全額所得控除、運用益が条件付き非課税の確定拠出年金(iDeCo)
(図は確定拠出年金の所得控除の表)
①投資をした金額が全て所得税と住民税の控除対象
例えば年収500万くらいのサラリーマンが毎月23,000円の上限まで投資を(年間で276,000円)すれば
(住民税)276,000×10%(固定)=27,600円
(所得税)276,000×10%(変動)=27,600円
年間で55,200円の税金が毎年安くなる。
②運用益も退職所得控除と公的年金控除より非課税
今回のシミュレーションの中での『退職金はなくとも』という仮定であれば、その運用額全てを非課税で受け取ることは可能。
運用益が全額非課税のつみたてNISA
①運用益が全額非課税
iDeCoのように退職所得、公的年金控除という枠は関係なし。たとえ100倍になっていても運用益は全額非課税の積立NISA
掛金に税控除、受取時は雑所得控除対象の個人年金保険
(個人年金保険の掛け金の控除表)
①掛金が控除の対象となる
具体的なその金額については以下の通り。
例えば年収500万くらいのサラリーマンが年間80,000円保険料を払った場合
(住民税)28,000×10%(固定)=2,800円
(所得税)40,000×10%(変動)=4,000円
年間で6,800円ほどの税金が毎年安くなる
②受取益も雑所得控除より非課税の可能性が高い
個人年金の受取はそれが年間25万円未満の利益であり、他に雑所得がないのであれば非課税となる。
ポイントは1年換算での(雑収入−必要経費)が25万円以下であること。この時の必要経費とは、掛金を受取る年数で割ったもの。
終身受取の場合は平均余命が受け取る年数としてその計算の対象となる。
今から始めるような個人年金にはそんな利率のいいお宝商品はないのでこの心配をする必要はない。
一般生命保険と医療保険は掛金の税控除があるが今回の試算対象外
これらの保険はその支払い保険料については控除がある(上の個人年金と同じ表)のだが、どちらも年金の代替となるわけではないので今回の計算からは省くことにする。
税メリットのある投資と保険は老後の生活にどれだけ貢献するのか
では現在30歳の人間が、上にあげた税メリットのある
・確定拠出年金(iDeCo)
・つみたてNISA
・個人年金保険
これらの投資と保険のみで、定年後の老後を生きていけるか。それについて考えてみたい。
また、1つだけ。
現在はまだ決まっていない、つみたてNISAのこれから。
自分は勝手にその制度に追加を加えた。内容としては
・積立NISAの恒久化(現状は2018~2037年の20年)
以上である。
それぞれの投資・保険について老後に与える影響についてを受け取り方法を含めて考えてみる。
確定拠出年金で20年間毎月55,000円の年金上積み
(1%運用)60歳から79歳までの20年間毎年478,000円
(3%運用)60歳から79歳までの20年間毎年662,000円
(5%運用)60歳から79歳までの20年間毎年934,000円
会社員上限の毎月23,000円を30年掛け続ける。
一時金での受け取り方法と分割取り崩しでの受け取り方法どちらも選択が可能なiDeCo。
その受け取りについてだが、今回のテーマは減る年金への対策。
ということで分割取り崩しを選択。
その運用は60歳までリスク運用をしたと仮定。
その後は20年での確定年金へと変更をして受取り。
そして受け取りの際の振込手数料や運用にかかる経費はその確定年金での利率で賄えるという考え方をした。(それにより確定年金の利率を0とする)
また、少し設定は矛盾するが運用益が大きい場合は公的年金控除を上回ってしまうことよりその場合は一部を一時金として受け取り自分で取り崩す設定。
(退職金は無し設定。非課税範囲内で受取は可能)
20年間という決まった受取期間ではあるが毎年66万(3%運用で)を生活の足しにすることができる
つみたてNISAは死ぬまで毎月27,000円の年金上積み
(1%運用)60歳から死ぬまでずっと毎年88,000円
(3%運用)60歳から死ぬまでずっと毎年322,000円
(5%運用)60歳から死ぬまでずっと毎年661,000円
毎年40万円を投資可能期間の20年間投資し続ける。
つみたてNISAに関しては前述したように投資可能期間が恒久化される仮定とする。
死ぬまで再投資し続けるという感じで死んだらその元本800万円には葬儀費用にでも。
(例)1年目に積立をした40万円は複利3%運用ができれば20年後には72万円となっている。この時、それをまた40万円分は再度つみたてNISAで運用をして残りの32万円を年金の代わりとして扱うというイメージ。
運用利率によりその額は変更するとはいえ、死ぬまで毎年32万(3%運用で)が投資した元本を取り崩さずに得られることに。
個人年金保険は死ぬまで毎月9,000円の年金上積み
(現状利率)60歳から死ぬまでずっと毎年104,000円
所得税控除の限度額80,000円を30年間毎年支払う
個人年金保険については前回僕がその利率についてを調べて、良心的な保険であると判明した『JA共済ライフロード』を選択。
ライフロードの現在の利率設定は
・当初5年間⇒0.5%の運用
・残り25年間⇒1.5%の運用(年利は毎年見直し)
その運用利率の低さと支払総額の少なさゆえ月に1万円にもみたない受給額。しかし終身受取、また固定金額という安心がそこにはある。
今の最低利率であっても、死ぬまで毎年10万4千円を受け取り続けることができる。
将来の年金悪化を税メリットのある投資と保険のみでカバーする事は厳しい
それでは 今までにした計算を年齢別に応じた老後の収入としてまとめていくことにする。
公的年金については以前に僕が試算したように
・国民年金は70歳から毎月60,000円
・厚生年金は70歳から毎月99,000円
と仮定。
60歳から69歳の間は毎月91,000円の所得がある
内訳としては
・確定拠出年金が毎月55,000円
・つみたてNISAが毎月27,000円
・個人年金保険が毎月9,000円
ちなみに老後の単身での生活費平均は16万円程。となると独り身でも少しはアルバイトする必要がある。
70歳から79歳の間は毎月190,000円の所得がある
内訳としては
・確定拠出年金が毎月55,000円
・つみたてNISAが毎月27,000円
・個人年金保険が毎月9,000円
・厚生年金が毎月99,000円
国民年金のみの人の場合は毎月151,000円程。
共働きであれば二人合わせて38万。
2人以上の世帯の生活費平均は25万円に満たない事を考えるとゆとりのある生活ができそうだ。
80歳から死ぬまでは毎月135,000の所得がある
内訳としては
・つみたてNISAが毎月27,000円
・個人年金保険が毎月9,000円
・厚生年金が毎月99,000円
iDeCoの受給がなくなったことによる所得の低下。でもこれくらいの年齢になればもうあまりお金は使わないだろうから十分かも。
検証してみて思ったこと。70歳までは働かないときつそう。
年金の悪化で困ること。それは受給額の低下よりも支給開始が遅れることだなと痛感。
また、老後の生活を非課税投資や保険のみでカバーするにはさすがに無理があった。
しかし大きなプラスとなる。
やはり、老後の生活にとってその投資と保険の価値が重いことには変わりはない
特に保険。
今までは死ぬまで払込を続けるものにしていたがここで見直しをしてもらったことで
・60歳までの払込で終わり
・終身でもらえるもの
にすることができた。
せっかく国がその制度を整え、レールを敷いてくれた『税メリットのある投資と保険』
それを使わないのは勿体無い。
特にiDeCo。いまやその加入者は70万人を超えている。
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