共働きサラリーマンの家計簿

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トランプ相場で稼いだお金は家の頭金に全て消え気づけばもう30歳間近。経理として働きながらも0から始めたインデックス投資と家計簿の再出発の記録です

独立行政法人GPIFとは?資産運用法や実績、日本年金機構との関係に至るまでを分かりやすく書いていく

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毎日のように名前を見聞するGPIFについて、その謎に包まれた組織内容や目的また、過去の損失や現在の資産運用方法までを徹底的に調べたので紹介していく。

 

GPIF 世界最大の機関投資家

GPIF 世界最大の機関投資家

 

 

GPIFとは

GPIFとは日本の厚生年金と国民年金の年金積立金を管理・運用する厚生労働省所轄の独立行政法人のこと。

またその名前については略称であり英語名称は『Government Pension Investment Fund』日本語名称は『年金積立金管理運用独立行政法人』である。

 

GPIFの目的

 

厚生労働省より預かった年金積立金の管理や運用を行い、その収益を国の財源へと納めることで厚生年金保険・国民年金事業の運営の安定の助けとなることを目的としている。尚、共済年金については対象外。

 

日本年金機構との関係、また積立金の役割について

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保険料の徴収や年金給付についてを行っているのが日本年金機構、その運用についての一部を委託されているのがGPIF。国民から国民・厚生年金保険料として日本年金機構によって徴収されたお金の一部がGPIFへと寄託される。

GPIFは年金財政においての自身が運用する積立金部分についてを、あくまで少子高齢化社会が進む中での現役世代負担を減らす緩衝材であるということを運用報告にて伝えている。

何故なら年金給付の財源は、その年の保険料収入と国庫負担で9割程度が賄われいてGPIFの運用資産(2016年度末約145兆円)から得られる財源は1割程度であるからだ。よってGPIFの運用においての短期的な資産評価損について、それらが与える年金給付へのインパクトについては現状おきる状況にないということを理解する必要がある。

 

GPIFの沿革や人員構成について

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GPIFの沿革

もとは1961年の国民皆年金制度実現移行、公的年金の積立金運用については特殊法人『年金福祉事業団』が財政投融資や大規模年金保養施設の設置などをすることで行っていた。しかしそれらは収益として大幅な赤字を出していた。

2001年に橋本内閣の推し進めた特殊法人改革のための法律改正により年金福祉事業団は廃止され厚生労働省が指導・監督する年金資金運用基金が設立。

2006年には年金積立金運用の改革、その専門性を徹底し責任を明確化するためとしてGPIFへと改組された。

 

GPIFの役職員数

GPIFの役職員数は役員5名、職員104名で構成されている。(平成29年7月1日現在)

長期的にはその職員数についてを135~150人に増強する方針であることを2016年1月12日に(当時の管理運用業務担当であった)水野弘道理事は社会保障審議会年金部会で明らかにしている。

 

GPIFの報酬・給与について

GPIFの給与については同法人のHPで毎年公開されていて誰もが見ることができる。平成28年度については

理事長については酬総額は2869万円

常勤職員66名(平均年齢46.8歳)の平均年収は887万円であった。

報酬については公的金融機関や民間の資産運用業界などの水準も参考として非常に慎重に設定されていることが同公開資料を見ると知ることができる。

 

GPIFの資産運用について

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GPIFの資産運用方法

GPIFの年金積立金の運用は主に

①基本ポートフォリオの策定

②策定されたポートフォリオに基づいて各資産に配分された資金を具体的にどのように運用するかを決める投資判断

以上2つであると当組合はHPで公表している

 

また運用方法については委託運用と自家運用がある。

委託運用については運用受託機関と投資一任契約を締結するが、その専門性を活用するという観点から国内債券・株式、外国債券・株式のパッシブ運用とアクティブ運用の双方で運用委員会の審議を経て運用受託機関を選定している。

また、自家運用については国債・社債等の債券や投資信託の売買は行うが株式を自ら売買することは認められていないので行わないということは注意が必要だ。

 

GPIFの資産運用方針

GPIFは「長期的な観点から安全かつ効率的な運用」を心がけており、必要なリターンを最低限のリスクで確保することができるような資産構成として運用をしている。

具体的なことをいうと平成26年10月31日、第2期中期目標が変更され厚生労働大臣により定められたGPIFが達成すべき業務運営に関する目標において、財政の現況及び見通しを踏まえ、保険給付に必要な流動性を確保しつつ、長期的に積立金の実質的な運用利回り(積立金の運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたものをいう。)1.7%を最低限のリスクで確保することが要請されている。

 

そしてそのGPIFの資産運用方法については以下にポイントがあげられる。

・債券と株を組み合わせた資産クラスの分散した投資

・日本だけではなく世界にも投資をする国際分散投資

・長期的な観測での投資(資産構成割合を決めたらそれを維持する)

 

何故損失も大きい株での運用をするのか

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株価が下がるというニュースが流れると同時に一部マスコミにより拡散されるいわゆる『失われた年金』という偏向報道。そのせいもあってかGPIFの年金運用に対して不信感を持つ方は多いのだろう。この質問が非常に多く寄せられていることが当HPのよくある質問欄を見ると知ることができる。

それに対してのGPIFの回答は資産クラス分散投資、国際分散投資の分散投資効果によって必要なリターンを最低限のリスクで確保することが期待できると答えている。

株はそれでも値が乱高下する、収益性は低くとも安定した国債投資などでGPIFには資産運用をしてほしいという人は多いだろう。自分の意見としてあくまで結果論ではあるが補足をしておく。上の表を見ると分かるが2016年度の国内債券市場はかつて10年以上なかったリターンがマイナスという状況に陥った。仮にGPIFがその運用資産全てを2016年度において分散投資をせずに国債のみでの運用をしていたらと仮定するとそのいわゆる失われた年金は1兆1千億円以上となる。

ここで自分がいいたいのは日本国債という資産クラスへの投資に対する文句ではない。どの資産クラスについても絶対に単年度においてプラスリターンをもたらすことができるという投資などはない、またそれだからこそ資産クラス・世界への分散投資が必要だということだ。

 

GPIFの資産構成は (2016年度末)

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GPIFの資産構成割合については基本的な資産構成割合(ポートフォリオ)についてを以下のように定めている。

国内債券35%

国内株式25%

外国債券15%

外国株式25%

 

しかし経済環境や市場環境の変化が激しい昨今の傾向を踏まえ、基本ポートフォリオの乖離許容幅の中で市場環境の適切な見通しを踏まえ、機動的な運用ができるとしている。(※ただし、その際の見通しは決して投機的なものであってはならず、確度が高いものとする)

そして2016年度末においてのGPIFの資産構成割合(ポートフォリオ)についてであるが

国内債券31.68%

国内株式23.28%

外国債券13.03%

外国株式23.12%

短期資産8.89%

以上となった。またこのうち約22%ほどはアクティブ投資となる。

 

GPIF の保有銘柄は?(2016年度末)

 誤解をしないために上でも述べたがもう1度書いておくがGPIFは国債・社債等の債券や投資信託の売買は行うが、株式を自ら売買することは認められていないので行っていない。

投資一任契約により間接的に保有しているもの、及び自家運用で保有しているもの(債券)のみを債券は発行体ごと、株式は銘柄ごとに集約したものの上位10位は以下の通りとなる。

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ちなみにGPIFはその保有銘柄についてを11位以下も当組合HPにて公開をしているので気になる方はそれを見ると確認することができる。

 

 

GPIFの資産運用実績について

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2001年度に設立された年金資金運用基金から2006年度GPIFとなり本年に至るまでの通年の運用実績は以下の通りとなる。

2001年度 収益額-5,874億円 収益率-1.80%

2002年度 収益額-2兆4,350億円 収益率-5.36%

2003年度 収益額+4兆8,916億円 収益率+8.4%

2004年度 収益額+2兆6,127億円 収益率+3.39%

2005年度 収益額+8兆9,619億円 収益率+9.88%

2006年度 収益額+3兆9,445億円 収益率+3.80%

2007年度 収益額-5兆5,178億円 収益率-4.59%

2008年度 収益額-9兆3,481億円 収益率-7.57%

2009年度 収益額+9兆1,850億円 収益率+7.91%

2010年度 収益額-2,999億円 収益率-0.25%

2011年度 収益額+2兆6,092億円 収益率+2.32%

2012年度 収益額+11兆2,222億円 収益率+10.23%

2013年度 収益額+10兆2,207億円 収益率+8.64%

2014年度 収益額+15兆2,922億円 収益率+12.27%

2015年度 収益額-5兆3,098億円 収益率-3.81%

2016年度 収益額+7兆9,363億円 収益率+5.86%

累計   収益額+53兆3,603億円 収益率+2.89%

 

ちなみにこの運用実績について、運用パフォーマンスとして2001年度~2016年度においての資産クラスごとリターン率を高い順番に並べていくと

外国株式・・5.32%

外国債券・・5.01%

国内株式・・2.68%

国内債券・・1.73%

以上となるが収益順に並べるとかつては国内債券比率が高かったこともあり

外国株式・・16兆8,739億円

国内債券・・13兆8,929億円

国内株式・・13兆8,598億円

外国債券・・5兆5,674億円

というように順位は変わる。

 

2016年度の資産運用実績は

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2016年度のGPIF運用実績については上に示す通り益額+7兆9,363億円、収益率+5.86%という大きくリターンを得ることができる結果となった。

国内外における債券市場は不安定な金融市場や世界経済の不透明さなどの後押しうけてマイナスとなったがそれ以上に米国の財政拡大期待の高まり、企業業績の回復を受けた株式市場が大きくプラスとなったことで全体として大きく資産は成長をした。

2017年度についても国内外全体として株高の傾向は続いており、今のところ去年と変わらないプラスリターンでの運用をしていることが想定できる。

 

GPIFについて僕が思うこと

今年のGPIFの運用報告が行われたときマスコミによってその7兆円以上にも上る今年の収益額については殆ど報道されなかった。損をすれば鬼の首を取ったように報道するのでもちろん不満を感じた。

しかし長期投資をしている自分が一番思ったことはそこではなくて。

せっかくGPIFが年金積立金という膨大な資産で長期投資・資産分散・国債分散投資をしているのにその資産運用の内容についてがあまりに興味を持たれていなかったということ。

GPIFについて言及している人はネットでは多くいたが注目されたのは今年度の7兆円の収益という結果だけ。投資方針やポートフォリオについての内容については多くの人にとってはその興味の対象外だったようだ。

これでは結局のところまた株安のトレンドになったらGPIFはその存在意義を問われるようになるだけじゃないだろうか。

しかし損失が出た時に『この運用方法で長期的には間違いない』とGPIFも断言はできないだろうしまたそれをいったところで民衆は結果でしか評価しないだろう。下落トレンドが続けば必然的にポートフォリオの見直しを迫られる。

投資側は資産運用についてそのプロセスを見てほしい、ただし注目されるのは結局のところ結果だけ。

ここが変わらない限りGPIFはいつかまた批判にさらされるだろう。

そしてその時にGPIFがどう動くのか、それがまた自分のような多くの投資家にとって大きな指針になるだろうなと僕は思う。